平等②
ペルシの心臓を俺の影が貫く。赤い鮮血が彼女の胸から溢れ落ちる。あれでは数刻も持たないだろう。
光があれば影ができる。太陽の光ほどじゃなくていい。ただ、ほんのわずかに、薄くても影ができるのであれば、それは月光だろうと構わない。
油断、それがお前たちが負ける敗因だ。
背後にいた小柄な娘が皆が一瞬止まった瞬間に剣で刺そうと背後に忍び寄るが俺はそれを躱し腹を殴って吹っ飛ばした。やはり女の子が苦痛に歪む表情は見てて飽きない。さて、残りをどう片付けようかとした瞬間、真上から水が落ちてきた。
見れば魔術師が魔術を発動していた。
「終わりよ!降参すれば命は助ける!」
黒髪の女の子、たしかミライとかいう女が声を上げる。
命は助ける?それは俺のセリフだ。夜である限り俺に敗北はありえない。
水のボールの中にいても俺には勝機が・・・まて。
魔術を発動させるには発動させるものがいる。例えば地面を思い通りに動かしたいなら地面がいる。影を動かしたいなら影がいる。
もちろん魔術で生み出すことは可能だがそんなことをすれば私は準備していますので襲ってくださいと、そういっているようなものだ。
先ほどの戦闘中にそんなことはしていなかった。となれば・・・。
急に魔術師がふらつき魔術を保てなくなった。だが俺の顔の周りを覆っている水は先ほどと変わらず、いや、魔術師の抑制が消えたせいか急速に俺の何かを奪い始めた。
力が抜ける、息ができなくなる。視界は徐々に暗くなり、水は、もとあった池へと俺を連れて跳躍し、深い水の中へと消えていった。俺の意識も、そこで終わった。




