死海③
男は愉しそうに嗤っていた。
「お前の親は確かに犯罪者だったがどちらも面白くない罪ばかりだった。まぁ、あいつらの居た街が街だからな。街にはいられないし森の中は住める環境じゃねぇ。ここに来れたのはある意味運がよかったんだろうな。そして二人は出会ってお前を授けた。それを見て思った。ずるいなぁってよ。」
村長は頭をガリガリと搔きむしる。
まるで幼稚な大人だった。
「ここでは犯罪者はただ死を待つのみだが例外は存在する。子を育てるとその保護者は街に入れるようになるんだよ。だからきっとあいつらはお前を産んだんだ。そうでなきゃお前なんか作るはずがねぇ!お前が街に行って俺を保護者と紹介すれば自由なんだ!なぁ、俺と街に行こうぜ!?」
「嫌です」
ペルシがはっきりと答える。
「私の両親を殺したのも、私のことを孫と偽ってこの方たちに接したのも、罪を認めず生にしがみつくのも、全部全部!気持ち悪い!私の両親がくれた人生に、あなたの存在は邪魔です。」
村長が震えている。これはたぶん怒りだ。
「せっかくこの年になるまで殺すのは控えていたのによお。もういいわ、お前。」
影が形を変え、まるで武器を持っているかのように見える。
手には何もない。だが、その動作が、緊張が、直感が、見えない何かがあると教えている。
「月光殺人鬼の異名、見せてやるよ」




