40/62
死海
「その魔女ってさ、説得することとかできないかな。」
私は気づけばそう口にしていた。魔女と言ってもそう呼ばれている人がいるだけだろう。生贄と言うのも何かの間違いだろう。
彼女はため息をついて私の師匠に目で訴えるが、師匠は首を横に振った。
わかりましたと彼女は立ち上がる。
「私についてきてください。今から魔女様がいかに恐ろしい存在であるかをお伝えしたいと思いますので」
身支度を整えたあと、私とパーティーの人たちで彼女の後ろをついていった。
着いたのは小さな池がある森の中だった。ただその池からは恐ろしいほどの死が感じられる。ここに来る途中から猛烈に感じる死の恐怖。森の中だというのに魔物一匹現れないのがその恐ろしさを物語っていた。
「この池が魔女・・・?」
私の突拍子もない一言に、みんながくすりと笑う。
「これは魔女様がお創りになられた生贄用の池です。直接的な害はありませんがその池の周りを囲うようにして繋いであるしめ縄より内側に入らないでください。引きずり込まれますので。」
これ、魔女というより元の世界の邪神の祀り方に近いなと思うミライだった。




