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魔女「深海」
私たちは次の街に行く道中、小さな村に寄っていた。
その村の村長はとても優しい方で心よく私たちを歓迎してくれた。
「大したものはございませんがゆっくりしていってくださいませ。おおそうだ、私の孫をお世話係としてつけましょう。なにかご入用であればこの子に言うてくだされ」
笑顔の村長とは裏腹に、その少女は少し悲しそうだった。
空いている家を案内してもらい私たちは一息つく。が、すぐにフユの「あ」という嫌な予感がする反応のせいで気が休まることはなかった。
「地図に載ってない?んなバカな。獣人の国の国境付近とはいえ流石にないことはないだろう。」
「でもほら、私たちがいるのはこのあたりのはずだよ。ねぇ、君。あ、名前聞いてなかった。名前は?」
フユの問いに彼女は一瞬ためらい、
「ペルシ、と申します。皆様がたに一つお願いがございます。」
ペルシは淡々と言葉をつなぐ。
「今すぐ出て行ってください」
彼女には、歓迎されてはいなかった。




