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留守
魔王城謁見の間にて、扉を叩く音がして犬の獣人が入ってきた。
綺麗に整えられた身なりに、紳士を思わせる立ち振る舞いはまさに魔王の忠犬としてふさわしかった。
「失礼します魔王様。おや・・・?」
いつもならこの時間にいるはずの魔王が見当たらない。
魔力探知では探しきれないので近くを通りかかった警備兵に聞いてみる。
「おそらくはあの御方のもとかと。何やら最近面白いものが来たとかで」
「そうか。ご苦労」
確かに最近魔王様の口からも少しばかり聞いていた。
まさか抜け出してしまうとは思わなかったが。私はため息をつきながら別の仕事に取り掛かる。
「せめて行くなら行くで一声ほしかったです、魔王様。」
獣人の尻尾はがっくりと垂れ下がっていた。
◇
「やっぱり、行けない」
フードを深く被る誰かが満天の星空を見上げて呟く。その声は男の人のようにも聞こえ、女の子のようにも聞こえる。背丈は高すぎず低すぎない。
その者はたどり着くことのできない星を見ていた。
「本当に、勝てるの?」
その呟きは、夜の風に流されて消えていった。
明日ぐらいからミライに話戻すんじゃけどあまり考えてないや




