希望はここに②
心地良い青空の下、揺れる馬車の荷台で私は商人と同じ街を目指すことにした。
商人は顔はいいが性格が少々胡散臭かった。けれど倒れていた私を助けてくれたし多分いい人だと思う。
荷台で心地よくうたた寝していると街が見えてきたと商人が教えてくれた。
街の周りを高い壁で囲まれており、その街の奥に城らしき建物も見える。しかし、それらは全て元の世界の和風な建築にとてもよく似ていた。
きっと過去に私と同じ世界からきた人が技術を提供したのだろう。
私はそれ以上深くは考えず、腰の刀に視線を落とした。刀を持っていても怖がられることも、犯罪者扱いされることもない。ここが、この世界が、現実だということに少し悲観しながら私は小さく商人に聞こえない程度の軽いため息を吐いた。
「なぁ嬢ちゃん、何があったかは知らんけど、諦めなければいつか必ず報われるもんや。」
おそらく聞こえてしまったのだろう。商人はポケットから小さなボロボロのお守り袋を取り、私にくれた。
よくみれば手作りのお守りで、あちこちを縫い直した跡もあった。
「困ったときのお守りでな。それやるから元気出しな、女の子は笑顔が一番可愛いからな」
この人はきっと不器用なのだろう。なんとか励まそうとして頑張っているのだ。そんな彼に私は─
「ところでもちろん無料ですよね?その手に持ってる紙切れ(請求書)しまわないと後ろから刺しますよ?」
「ちっ、カモじゃなかったか」
男は紙切れと計算機らしきものを懐にしまい、再び手綱をしっかりと握りなおした。
街の入り口はあと少しでたどり着きそうだった。




