過去の遺物③
3日目、私はリンさんと二人で街の外に出ていた。
途中で子国さんに出会ったのだが仕事が溜まっているらしく、部下の人に首根っこつかまれて連れていかれていた。
今日も魔物退治に精を出す。
今日はゴブリンでスライムよりも少し手強い。
私が苦戦しているとリンさんが少しバツが悪そうに尋ねた。
「ねぇ、貴女ってなにか飴玉みたいなの持ってないかしら。」
「え、飴玉!?」
最後のゴブリンを倒してからポケットの中を探る。
中からお守り袋にはいっていたサイコロのような透明な四角い小さな箱に入った丸い飴玉のようなものがあった。
そういえば商人からもらったものをすっかり忘れていた。
「それ、貰ってもいいかしいら」
私はどうぞとリンさんに差し出した。
それをリンさんは受け取り懐にしまった。
「有難う。お礼・・・と言えるかはわからないけれど一つアドバイスをあげましょう。」
「アドバイス?」
「ええ、貴女の世界ではどうか知らないけれどこの世界では神族、いわゆる神様が形を持って存在しているわ。もし神様と戦うことになったら逃げなさい。面倒だから」
「め、面倒?勝てないとかではなくて?」
彼女はでかいため息をつきながら答えた。
「神様は不死性と未来視を持つの。未来視で見た未来はほとんど確定しているようなものなの。いつしか神の間では決まった未来、とも言われているわね。神様に挑めばまず負ける未来が確定するわ。だから戦ってはいけないわ」
「うん、わかりました。でもリンさんはさっき面倒って言ってなかった?」
「ええ面倒よ。避けた先に攻撃当ててくるし死なないからしぶといしで、まるで黒いカサカサした生き物みたいだわ」
ええ・・・。
リンさんはどうやら過去に神様とやりあったことがあるみたいだった。