21 やっと最南端の村に着いた
『炎竜 ヘルグラン』を倒した僕は、さらなる最強を求めてヘル砂漠で魔物狩りをしていた。
「オラッ!」
「グァァァァ」
ライムは、コモドドラゴンの様な魔物を黒雷纏わせた漆黒の剣で真っ二つにした。
「ふぅー、何とか黒い雷を自在に扱えるようになってきたな」
「流石です。ライトニング様」
ヘルグランを倒した時は勢いでできたけど、実はまだ自在に操るのは難しかったんだよな。
「これなら、より深く魔素を魂とリンクさせてより、雷の色を濃くして漆黒の雷が作れそうだな」
「今でも十分最強なのに、上を目指すなんて流石はライトニング様ですね」
まぁ、シンプルに漆黒の雷を見てみたいだけなんだけどな。
その日の僕たちは、日が暮れるまで魔物狩りを続けた。
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「はぁー、魔素がほぼ無限だからって、追い込みすぎたな。体中が筋肉痛だ」
ライムは砂漠の砂に尻もちをついて座った。
夜の砂漠の砂は少し冷たかったが、火照ったライム達の体に丁度良かった。
「魔物と出会ったら、戦いを挑んでましたからね」
「ディストラまで付き合うことなかったのに」
「いえいえ、ライトニング様が強くなっている時に何もしなかったら、ライトニング様を影から支える陰の実力者の役目を果たせなくなりますから」
まぁ、ディストラも十分強いと思うんだけどな。
「そうか。ならちゃんと付いて来いよ」
「はい。どこまでも付いていきます」
僕たちは、夜になったので狩った魔物で夜ご飯を用意した。
「くそぉ、僕たちは二人共料理が苦手だからどうしても、丸焼きしか作れないんだよな。もう一回、フレディさん家のご飯食べてぇなぁ」
「そうですね。僕もあの料理もう一回食べたいですよ」
「まぁこの生活も悪くはないけどな」
「確かにこのご飯も、冒険ならではですもんね」
「そうだディストラ見てくれよ。今日の修行でやっと、雷を漆黒に染めることが出来るようになったんだよ」
僕はそう言って立ち上がり、右の掌から漆黒の雷を出した。
その雷はまるで、全てを飲み込んでしまう深い闇のような漆黒に染まっていた。
「うわぁーかっこいいですね」
「そうだろ。この雷は僕の魂とのシンクロ率が100%になったから、この世のどんなものでも壊すし、どんなものでも破壊できない。真の最強になったんだ」
「やばいですね。追いつける気がしないですよ」
「まぁ、いつかは追いつけると思うよ」
まぁ、雷は最強になったけど、技はまだまだ強くできそうだから、僕も成長途中だからな。
追いつかせる気はないんだけどね。
「それでさ、こっからは寄り道せずに勇者の居る最南端の村に行こうと思うんだけど、どうかな?」
「いいと思いますよ。これ以上寄り道してたら、勇者パーティーに入るための勇者との関係づくりの期間が足りなくなっちゃいますからね」
話をしながら僕は、漆黒のコートと禍々しい仮面を掃除していた。
「それはそうと、ずっと気になってたんですけど、その漆黒のコートと禍々しい仮面ってどこで手に入れたんですか?」
「あぁこれか、かっこいいだろ」
「まぁこれは手に入れたっていうか、コートも仮面も家にあったのをパクったんだよ」
コートも仮面も小さい時は、ぶかぶかだったから戦いにくかったなぁ。
「そうなんですね。ハハッ」
ディストラは苦笑いをしていた。
「そうだよ。これからも使う予定だから手入れしてるんだ」
僕達は、ご飯を食べ終わり寝る準備をした。
「いやーやっと勇者に会えるな」
「私達が、寄り道してたからですけどね」
「まぁまぁ、寄り道と言っても全部必要なことだったから良いだろ」
「それもそうですね。寄り道も旅の醍醐味ですからね」
そんな話をしているうちに、僕達は眠りについた。
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翌朝。
僕達は早朝から、勇者の居る最南端の村に向かっていた。
「ねぇディストラ。お前って、この大陸の地名は殆ど覚えてるんだよな?」
「はい。ダンジョンに居る間は、それぐらいでしか暇つぶし出来なかったので。あらかた覚えてますよ」
ディストラは、ライムの影の中から返事をした。
「じゃあさぁ、勇者の居る最南端の村の地名も知ってたりするの?」
「はい。勇者の居る最南端の村の名前は、『イビリーズ村』と言います」
「へぇ〜、イビリーズ村っていうのか。楽しみだな」
「そうですね」
僕は話しをしながらも、色々な所を走っていた。
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30分近く走っていると、大陸の最南端に位置する豪雪地帯に差し掛かった。
「うわぁー寒っむ」
僕は急いで漆黒のコートを着た。
「くそっ、このコートはライトニングとして動くとき以外は使いたくなかったんだけどしょうがないよなぁ……。一応聞くけど、ディストラも大丈夫か?」
「はい大丈夫です。魔界もこれぐらい寒かったので」
そっか魔界も大陸の最北端だから寒いのか。
そう言いつつ、ディストラは僕の影に入った。
「くそぉ、また楽しやがって」
「へへぇ、影魔法の特権です」
僕は寒いのが苦手なので、少し走るスピードが下がったが、何とか途中狩りをしながら、6時間ぐらいでイビリーズ村に到着した。
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「おぉーこれがイビリーズ村かぁ。寒いな」
「寒いですね」
僕たちの目の前には雪に埋もれた、静かな村があった。
「それじゃあ早速、勇者に会いに行くとしますか」
僕がそう言うと、ディストラは震えながら答えた。
「えぇ早く行きましょう」
そして僕たちはようやく、勇者に会うために最南端の村イビリーズに入ったのだった。




