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遠い山脈の頂上で、1人の人間が杖を持ちながら何処かを見ている。
コツコツとその場を杖で叩きながら奏でる石の音はなんだか愉快に聞こえた。
それに比例するかのように人間の口角も上がっていく。
「あの子達は第一の試練をクリアしたみたいだ。まぁ試練なんて誰も出してないんだが」
独り言は返す相手も居ないので遠慮なく普通の声量で話している。
すると人間は思い出したように自分が背負う鞄から1冊の本を出した。
「あの方が書いた予言書を数年前からビャッコの社に置いておいて正解だったよ。予言通りになったかは別としてね。あの2人が色々と困惑する姿を見て……さぞお喜びだろうなぁ…」
「カァーー、カァーー」
「おっ、来た」
山脈の頂上に1匹の白い鴉が降り立つ。
鴉は人間が伸ばした腕に着地すると鳴き声を次々と発した。
人間はそれを全て理解しているかのように頷いて鳴き声を聞く。
鴉は最後に「カァ…」と鳴けば人間の腕から飛び立った。
「ご苦労」
もう返事は返ってこない。
バサバサと翼が羽ばたく音しか聞こえなかった。
人間は再び杖の先をその場に叩きつける。
「神家雅人。石竹美姫。君達が帰る場所はもうここしかない。あの失敗した巫女と同じ運命を辿らないでくれよ?」
山脈に風が吹き始める。
「君達は厄災だ。そして神の雫だ。今回は神家が厄災となり、石竹が雫となった。しかし時が巡れば逆になる事だってあるだろう。全てはあの方の思う通りに」
人間は踵を返して山脈を降り始めると、小さく笑みを溢した。
「また主人公になれると良いね。…まぁそんなつまらない事をあの方は好まないだろうけど」
風は次第に強く吹き荒れると人間を掻き消すように砂埃が舞い上がった。
それと同時に鴉の鳴き声が辺りに響き渡る。
人間が頂上から見下ろしていた先…ビャッコは今日も平和に時が流れていた。
片想い転生完結です!
何やら続きがありそうな終わり方ですが、いつか続きを書ければなと思っています!
とりあえず今はカクヨムさんで開催されているコンテストの小説を書かなければ……。
カクヨムさんで投稿している小説です!
『すきっ歯お嬢は幸せです 〜幸福を授けるお嬢は3人の男女に幸せにされます〜』
優しい世界の愛され小説となっています。
もしよろしければ読んでみてください!
フォローや評価が貰えると大喜びです!読者選考に繋がるのでよろしくお願いします!
URL↓
https://kakuyomu.jp/works/16817330650237300210/episodes/16817330650261725710
雪村の名前で活動しているので『雪村』の検索でも引っかかります。
それではここまで読んでくださり本当にありがとうございます!
皆さんの応援のおかげで完結することが出来ました!
またお会いしましょう!
雪村




