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記憶

「どう言う理由であそこで2人で寝てたんだろうね」


「わからない。俺が先に目を覚ましたけど、詳しいことは思い出せなくて」


「私も」


「どこまで覚えてる?」


「えっ?どこまでだろう…」




俺は歩きながら思い出そうと頑張ってみる。


しかし直前の出来事は全く覚えてないのだ。


覚えてるとしたら…夕日。


そして美姫ちゃんと俺。


家が立ち並ぶ住宅街……。




「告白……っ」


「ん?誰に?」


「えっ!?いや、その…」


「雅人は何か思い出せたの?」


「いや、何も」


「そっか私は学校で模試をやった時だけ浮かんだ。でもその後のことが全くわからないの」


「模試…?」


「うん。あ、そういえばその日の朝に雅人が一緒に帰ろって言ってくれたんだよね。久しぶりで嬉しかった記憶がある。そこからは全くなんだけど」


「それって…俺が帰り道に話した内容は?」


「何話したの?」




美姫ちゃんの顔は至って真剣だ。


嘘をついているのでもなく、俺に気を遣っているわけでもなさそうだ。


でもそしたら俺の記憶はどうなのだろう。


美姫ちゃんは覚えてない。


しかし俺は告白を覚えている。


勿論返事だって脳に焼きつくように。


けれどその記憶は本物なのだろうか。


でも恋心は幼少期からあるので本物だ。


今この瞬間だってドキドキしている。


色んな意味を含めてだが。




「雅人大丈夫?」


「えっ」


「難しい顔してるから」


「あっ、ああ。大丈夫!」


「疲れたら言ってね。休憩しよ」


「わかった。美姫ちゃんも遠慮なく言って」


「ありがとう!」




本当に可愛い笑顔だな。


普段は美人系なのに、笑うと幼く感じる。


もう告白が真実の記憶か嘘の記憶かなんてどうだっていいや。


今普通に俺達は笑っていられるのだから。


告白の返事を貰った後のことは記憶にないけど、きっと喋れなくなっていたと思う。


だったら忘れていた方がいい。


隣を歩く美姫ちゃんを見て自分に言い聞かせていた。


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