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憧れの謎の令嬢

イクリス君はゲームキャラじゃ無い。

イクリスは訓練所から聞こえる学生達の声にふと笑みを浮かべた。


士官学校の自治会長でもある彼は、威勢の良い声を上げている彼らの士気を上げてくれたアレキサンドラの顔を思い出していた。


リンデラの騎士達の人気が上がった為、入学を希望する生徒は増えたが、士気が高いものはそれ程多く無かった。

それをアレキサンドラは、あっという間に変えてくれた。


あれは、訓練生達が入学してすぐの事だった。


男が多い士官学校の校舎をキョロキョロ見ながら歩く令嬢。

隣の貴族学園から迷い込んだのか?と、思いながら声を掛けると


「父から学長様への手紙を預かったのですが、此処は何処でしょう?」


と、澄んだ声で答えた。


美しい令嬢を見ようと学生達がざわつき始め、イクリスは呆れた。

貴族の令嬢を怯えさせては、士官学校の立場が悪くなる。


「学長室に案内します」

「ありがとうございます」


ホッとしたのか、笑みを浮かべる彼女の美しさに学生達が更に騒めいた。


何故、貴族の令嬢がわざわざメイドを使わずに来たのか不思議だが、彼女を放り出すと騒ぎになるだろう、と内心頭を抱えながら学長室に案内した。


学長は彼女の事を知っているのか、顔を見ると嬉しそうに笑い、部屋に招き入れた。

イクリスはそのまま下がろうとしたが、学長が入れ、と目で指示するので彼女の後から学長室に入った。


「お久しぶりです、ペトリオス侯爵令嬢。今日はどの様なご用件ですかな?」


彼女の名前を知り、イクリスは息が止まりそうなほど驚いた。

叔父でもある、ノーエ辺境伯が何度も口にしていた令嬢の名前だ。


わずか7歳で国民から無用では、と言われてどこか卑屈になっていた騎士団や兵団の意識改革をし、今では当たり前になった、国境警備や災害派遣を提案した才女。


ペトリオス軍事卿は、彼女を騎士団以外には連れて行かない為、謎に包まれた令嬢が今、自分の前に立っている。

憧れの人を前にすると緊張するよねー。

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