表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/53

アーロンは自惚れ屋

第一王子は自惚れ屋です。

「ふん。帝王学ならまだしも、歴史学など学ぶ必要などない」


アーロンはいつもの様に、受けたくない授業をサボる為、カフェに向かって中庭を歩いていた。


ふと、図書館の方を見ると窓辺に、いつもは居ない銀髪の美少女を見つけ、アーロンは足を止めた。


柔らかな光を受け、銀髪が輝く。

教科書に視線を落とす儚げな横顔につい見惚れていると、彼女がゆっくりと顔を上げほぅとため息をもらす。


あまりの美しさに声も出ない。


「あの者をカフェに誘うか」


窓辺に向かおうとした時、イーサンの姿が目の端に映る。

双子のせいか、女性の好みも同じイーサンに彼女を知られるのは面白くない。


アーロンは窓辺から視線を外し、イーサンの方に歩き出した。


「やっぱり兄さんもサボってたんだ」


建物の中でイーサンがにやにや笑う。


「歴史学なんて学ぶ必要などない。カフェで時間を潰すぞ」

「そうだと思った」


イーサンはスタスタとカフェに向かって歩くのを見てから、アーロンはもう一度図書館の方を見た。

窓辺の彼女はまた教科書に視線を落とし、こちらを見ていない。


「ふん。私が誘わなくとも、いずれあっちから擦り寄ってくるだろう」


王子である自分の周りには、いつも女が纏わりついてきている。


目さえ合えば、彼女から自分に擦り寄って来ると思い、にやけそうな口元を引き締めた。

自意識過剰なアホの子。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ