続編はゲームだけで結構です。
続編は無いですよ。アドリアーナ様が許しませんから。
その後、アーロン様やイーサン様など大物?問題児が居なくなった3年生がサラッと卒業し、アドリアーナ様は王太子となったデュラン殿下と正式に婚約。
ミアさんはアドリアーナ様の専属メイドとなり、いずれは侍女長に出世するでしょう。
私はノーエ辺境伯を継ぐイクリス様と、イクリス様が卒業と同時に婚約する事になりましたし、私の卒業と同時に結婚する事も決まりました。
イズミル殿下も、母国にいる幼馴染と婚約し、王国と帝国はより深く繋がることになった。
と、ハッピーエンドで私の結婚までの残り一年間、学園生活を満喫するつもりだったのに……。
「居ましたわ。あのペールブルーの髪の子です」
ミアさんが目敏く見つけた2のヒロインは……。
今度は予想通りの、頭がお花畑のやばい人でした。
カチコチに緊張している他の新入生と違い、誰かを探しているみたいにキョロキョロしているのですぐに分かる。
しかも……。
「転生者です。ゲームが始まる、とか悪役令嬢はあれね、とか言ってましたから」
3人目かぁ。居ても不思議は無いですけどね。
それより、ミアさんが隠密スキルまで身に付けているのにびっくりです。
きっとデュラン殿下の護衛さんの指導の賜物ですね。
何も出来ない自分に、ちょっとへこみました。
でも、私だって出来る事はあります。
友達として、アドリアーナ様の側に居ます。アドリアーナ様が、ずっとそうして下さった様に。
火力は……。物凄く弱いですけど。
「一応、警告しておきますか?」
「そうね。冤罪からの断罪を考えているなら、喜んで反撃しますってね」
断罪されなかった、元悪役令嬢の私が言えば、少しは考えるでしょうから。
さて、どういった反応見せるかしら?
アドリアーナ様達に突進して、ワザと転んだフリをした2のヒロインをミアさんと一緒に回収し、警告をしたらピッ、と鳥の様な声をあげて逃げてしまった。
うん。これで安心して最終学年を満喫出来ます。
えっ?本当に大丈夫か、ですか?
まぁ、ちょっとは騒ぎがあるかも知れませんが、ね。
きっと大丈夫ですよ。
次で完結します。多分




