着々と用意します。なんの?
断罪があっさり終わってまったりする筈なのに
「もの凄い騒ぎでしたね」
一連の騒ぎがひと段落着いたところで、ミアがアレキサンドラにお茶を出しながら呟き、ほぅとため息を付いた。
あの後、学園で行われた新年の舞踏会は、興奮が冷めていなかった所為か、異様な出席率だったのも、もう過去の話だ。
「しかたないですね。……ところでミアさん?どうして2年に編入したの?」
2年生専用のティールームに、当然の様に居るミアをアレキサンドラは不思議そうに見詰める。
「アドリアーナ様の侍女になるのに同じ学年でなければ、お側にいられないからです」
理由は分かるが、良く学園が許したな、とアレキサンドラが目で訴えると
「高校レベルの勉強なら、クリアしてますから」
さらっと言って、Vサインした。
私は貴女の優秀さが怖いです。
「それに、もうすぐ3年の方達が卒業されますから、『キラキラ・プリンセス〜学園は花盛り〜』の2の対策もしませんと」
ミアさんの爆弾発言に固まった。
2って言った?
えっ?続編あったの?
「ミ、ミア?『キラキラ・プリンセス〜学園は花盛り〜』って続編あったの?」
「プレイしていないので詳しいことはわからないですが、キャラデザは良かったので。確か、2のヒロインはペールブルーの髪の子爵令嬢ですね」
続編の話に段々顔が青くなってしまう。
また私が悪役令嬢なんですか?
どうにかなる、とは思いますが周りにご迷惑を掛けてしまうかも。
「あっ、2の悪役令嬢はアドリアーナ様なので」
なんだろう。物凄く安心した。
アドリアーナ様なら何があっても大丈夫な気がします。
「誰が相手でも、アドリアーナ様なら冤罪からの断罪エンドにはなりそうも無いですから」
私は呑気に笑ってしまったけど
「ちなみに、攻略対象はデュラン殿下や側近の方達です」
ミアさんから爆弾が投下されて、ピキンと固まった。
「あら嫌だわ」
背後から掛けられた声に、私とミアさんがピョンと飛んでしまった。
振り返らなくても、どなたか分かります。
でも、恐る恐る振り返れば、アドリアーナ様が黒さを滲ませ、微笑んでいました。
怒ってます?
「2人の話、ちょっと意味が解らない所もありますが、デューがそんな馬鹿な事しましたら、わたくし、喜んで反撃しますわ」
うん。一切手加減なしで完膚ないほど叩きのめしそうです。
うーん、アドリアーナ様を悪役令嬢に……。
敵わないだろ、ヒロイン。




