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ゲームの断罪エンド?喜んで受けますわ

ちょっとニマニマした回です。

士官学校の訓練場で、イクリスさんが下級生の指導をしているのが見える。


どうやら、イクリスが辺境伯の養子になったことや、お兄様と互角に戦える事を知った下級生達が指導を仰いだ様子に、ほっこりしてしまう。


邪魔してしまうかも、と訓練場の端で見ていると、イクリスが笑顔で此方に向かって来る。


「こんにちは。お邪魔してしまった様で」

「とんでもない。アレキサンドラ様がいらして下されば、下級生も訓練に気合が入ります」


まさか、と思いながら彼らに目を向けると、気合の入った声を上げながら訓練を始めました。

なんで?


「ねっ。それより、話しておきたいことがあります」


いつもより、緊張した顔を見せるイクリス……様。

なんでしょう。胸がムズムズします。


「以前、陛下から嬉しい申し出があったとお話ししましたね。あれは、婚約者が決まったことなんです」


イクリス様に婚約者が……。

何故だろう。意味もなく、胸が痛くなって来ました。


学園に入ってから、ずっと親しくさせていただいていたせいかしら?


痛む胸を誤魔化しながら頷くと、真っ赤になったイクリス様が、ジッと此方を見ています。


「陛下は……アレキサンドラ様、貴女を私の婚約者に、と仰って下さいました」


そうですか、そのアレキサンドラ様がイクリス様の婚約者……。

ん?アレキサンドラ?私と同じ名前ですね。

ん?貴女……。


「うぇ、わ、わ、私?」

「はい。辺境伯となる条件に貴女を妻に、とお願いしたら……。あの、嫌でしたか?」


うー、前世で見た蓄音機の前で首を傾げるワンちゃんみたいです。

可愛らしい!!


「嫌だなんて……。でも、私で宜しいのでしょうか?」


令嬢らしさが無さすぎるので、申し訳なさすぎます。


「アレキサンドラ様が良いのです」


イケメンの照れた顔は破壊力抜群です。


「しばらくは内密にして欲しいのですが、嬉しくて黙ってられなかった」


絶対、私、今茹で上がったタコみたいに真っ赤になっている。

でも、でも、嬉しい。


無意識にイクリス様に恋をしていたんだろう。


「辺境伯領は過酷な土地です。その様な場所に貴女を連れて行くことに戸惑いはありますが、過酷ゆえ愛する人が必要なんです」


イクリス様の言いたいことは、良く分かる。過酷な土地でも、愛する家族が居れば守りたいと思うし、頑張れる。

ノーエ辺境伯も、貴族では珍しい恋愛結婚ですから。


ゲームの断罪イベントでは、辺境伯に嫁ぐってなってたけど、現実世界ではハッピーエンドですよ。


こうなったら冤罪でのざまぁエンド?喜んでお受けします。


「不束者ですが、よろしくお願いします」

「良かったぁ。断られたら立ち直れなかったよ」


ホッとした顔が更にイケメンで、困ります。

美形の笑顔は……。破壊力抜群だよね。

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