笑いのツボが分かりません。
デュラン殿下が笑い上戸になってます。
「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私はアレキサンドラ・ペトリオスです」
殿下が身分を言わないので、こちらも口にしなかったら爆笑しました。
なんでだよ。
「アドリアーナが気に入ったのが分かった。すごく良い」
「当然です。アレキサンドラはすごく良いのです」
アドリアーナ様がドヤ顔してますが、何がいいの?
「アレキサンドラ、まるで分かってないだろ。貴族なんか足の引っ張り合いが通常運転なのに、なんで家名しか言わなかった?」
「えっ?デュラン殿下が身分を言わないので」
イズミル様の説明に頷き、自分の解釈を話すと
「やっぱりいい!」
デュラン殿下が机をバンバン叩きながら笑い転げている。
「あげませんよ」
いやいや、アドリアーナ様、私、物じゃないし……。
「すっげぇ気に入った。リアナ、彼女を俺の侍女にくれ」
デュラン殿下、既に、口調がズタボロですよ。
「デュー、それ以上言うとぶちかましますよ」
アドリアーナ様も……。
「デュラン、やめとけ。アドリアーナに寝首かかれるぞ。それに、アレキサンドラが困ってる」
はい。とっても困ってます。
皆様が仲が良いことしか分かりません。
説明してください。
笑い上戸でも、腹黒さんです。