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嵐の前……みたいです。

遠慮というか、隠さなくなった本性と言うべきか?

試験などで紛れてしまっているが、どこかピリピリした空気と、楽しいことが待っている様な空気にアレキサンドラは目をぱちくりしている。


「何かあるのでしょうか?」

「何故?」


相変わらず、冴えた美貌のアドリアーナ様がちょっと首を傾げる。


「学園内の空気が忙しいので」

「試験がありますし、新年の舞踏会に心が早っているのよ」


アドリアーナ様の返事はもっともだ、と思うけど、なんか、ちょっと違う。


「あの馬鹿3人組、まだミアを虐めている奴探しているみたいだ」


イズミル様が呆れた顔で、椅子を寄せて来た。


あの3人、女優で頭の良いミアさんに良いようにあしらわれているのに、ご苦労さまな事で。


「探す、と言うよりミアの報告を見ると捏造しているらしいですわ」


ミアさん、貴女はスパイですか?

ミアすごい!ワクワク。……ちょっと違うか。


「冤罪被せて、って感じか。懲りない奴らだ」


何もしなければ、高位の貴族としてそれなりの地位を引き継げるのに。


まぁ、その分責任も重くなるので、学園内みたいに好き勝手は出来なくなるでしょうけど。


王家や貴族あっての国では無い。

国は底辺で支えてくれる方々が居るから存続できるので、そこを間違えると痛い目を見る。


甘やかされたボンボンには理解できないのかなぁ?


「自分達の事も真面に出来ないくせして、馬鹿ですこと」


最近、アドリアーナ様は愚か者とか思慮が足りないとは言わず、直球でビシビシ言う。


「それにアホの坊や達、馬鹿3人組と一緒になって、君を貶めようとしているみたいだ」


イズミルの言葉にアドリアーナの笑顔がすっ、と黒くなった。

アドリアーナ様とイズミル様の言葉使いが荒くなって来ます。

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