笑顔が怖いですが
笑顔が怖いって、怖さ倍増です。
「ご迷惑をお掛けしました」
クラスに戻り、やっと降ろしてもらってからイズミル様に謝罪をすると
「いや、正直、俺もアイツらの目が気持ち悪くて強引に出ちまったよ」
アイツらの目を思い出したのか、イズミル様が嫌そうな顔をした。
本当に気持ち悪かった。
べったりと張り付く様な視線ってあるんだ。
「そろそろ幕引きかしら?」
と、アドリアーナ様が言ってますが、何のこと?
「そうだな。丁度いいかもな」
と、イズミル様まで頷いている。
「何のことでしょうか?」
「アレキサンドラはにっこり笑っててくれれば大丈夫よ」
アドリアーナ様、だから何のことでしょうか?
「証拠も証言もガッツリ集まったしな」
イズミル様、証拠?証言?お願いです、何のことか教えて下さい。
「此方もです。それよりアレキサンドラ、学園主催の新年の舞踏会は出るのでしょ」
今、それ関係ありますか?
「はい。騎士団や兵団の新年会は年明けになったら行う、と父が申しておりました」
私はお父様から、学園主催の新年の舞踏会には出ないで、騎士団や兵団の新年会に出席するよう言われているから、前回はばっくれている。
「楽しみね」
「楽しみだな」
すみません。お二人の笑顔が黒くて怖いです。
次はイクリスターンかな?




