ろくでもない奴ら
第一王子の側近候補はろくでなしばかりです。
「そうですか?ピンクの髪の子など可愛らしかったですよ」
考え事をしていたアーロンの耳に宰相の息子、デレクが眼鏡をくいっと直しながら言えば、法皇の息子トーマスも同意する様頷いた。
「うん、可愛かったよね」
大商人の次男、ナオリスが可愛い系の笑顔でアーロンを見るが、アーロンは同意しない。
「あんなのは雑草に毛が生えたくらいだ」
アーロンの頭の中には図書館の窓辺で見た、銀髪の美少女の横顔が蘇る。
あの後、どれ程探りを入れても誰だか解らない謎の少女。
「雑草でも、女ですし爵位も低いからいくらでも好きにできます」
デレクの言葉に、イーサンが嫌そうに眉を顰める。
「お前は優秀だが、その考え方だけは好きになれない」
「女なんて美しく利用できるか、オモチャになるくらいしか価値がない」
トーマスが少女の様な中性的な顔を醜く歪ませて笑う。
「そうそう。あーゆー子を踏み躙るの楽しいよね」
ナオリスのゲスな言葉に、アーロンは退出を命じた。
「側近候補がカスばかりとは、父上に泣きを言いたい」
「家柄だけはいいからね。兄上、どうします?」
イーサンも彼らの態度には嫌悪感を覚えているのか、言葉が辛辣だ。
「証拠さえあれば叩き潰す」
腐敗した貴族など、ゴミ以下だが尻尾だけは掴ませない強かさと狡賢さはある。
うわーん、ヒロインまでやばい子だったら泣くな。




