二人でお留守番ゲーム
オレと真絵は、およそ十五年くらい両思い
に気づかず過ごしてきた。
あー…もっと早くから気づいてれば今まで
真絵を振り向かせる作戦立てなくてもイチ
ャイチャがより早くできていたのに。
ま、なんとか両思いになれてよかった。
下手したら未だ両思いのくせにお互いへん
なアピールしてはスルーされたりと、無駄
なドキドキを味わうところだった。
幼馴染から恋人にかわるとなんか照れくさ
かったりもする。
しかし、意外な一面も見れたりする。
キスのときの恥ずかしそうなかわいい顔と
かちょっと拗ねた顔とか。
幼い頃からずっと一緒だから飽きてしまう
かと思いきやそんな事全然ないのだ。
むしろもっともーっと真絵を知りたい。
たくさんイチャイチャしたくてたまらない。
なんなら一緒に暮らしたいくらいだ。
…それは無理だけど、でも家が近いからい
つでも会えるのは、最高だ。
お互い両親も知ってるから安心だ。
それに真絵のお母さんは、たまに夜まで仕
事になったりする。
だからそんな時は、用心棒でオレがよくお
じゃましていたりするのだ。
うちの母さんが作ったものをお届けして一
緒にご飯を食べてゲームして真絵のお母さ
んの帰りを待つ。
しかし今夜は、二人でご飯を作りその後イ
チャイチャ…
したい。
付き合ってはじめてのそんな日だ。
今夜は、チャーハンにしようとなった。
お父さんとお母さんの分も作ってラップを
かけてと。
さて、いただきます。
…わー、新婚さんみたいだなー。
なんて思いながら真絵を見つめると、にっ
こり
「美味しいね」
なんて微笑んでくれた。
「うん!マジうまい‼︎最高!」
これは、とにかく二人で作ったし真絵の笑
顔つきのご飯だからとにかく格別うまい‼︎
真絵との楽しい夕食を過ごした。
な、なんか照れくさっ。
そして片付けも終わりいつものソファーに
二人して座った。
「あ、ねぇ…ゲ、ゲームしよっか…?」
真絵のその言葉にオレは、
「真絵、今夜はいつもと違うゲームしよう」
と真絵を抱きしめながらささやいた。
「えっ…どんなゲ、ゲーム?」
「じゃあ、ルール説明ね」
「うん」
「まずどちらかが目を閉じます。閉じてない
人は、自分のからだのどこかを相手に触ら
せます。触らせられている人は、相手のど
この部分を触っているか当てるゲーム」
「へぇ、楽しそう!。じゃわたし目つぶって
当てる‼︎」
「じゃあ、つぶって」
「はーい」
…真絵ー。
そんなオレの前で無防備に目つぶりやがっ
て。
ムチュ〜。
オレは思わず真絵にキスしてしまった。
「んっ。えっ、なによ?ひっかけ⁉︎」
「ううん。ごめん。あんまりかわいかったか
らつい。」
「やだぁ、びっくりした」
クスクス
「わりぃ。じゃもう一回つぶって。今度は、
ちゃんとやるから」
「うん」
オレは真絵の手を自分の頭に乗せた。
「あー、簡単!頭ー‼︎」
「正解‼︎」
「じゃあ、次雄信目つぶって」
「うっす」
目を閉じると…
シーン
…ん?なんだ?
って思ってたらいきなり真絵から優しい優
しいチュ〜をいただいた。
思わず目を開けて、真絵を抱きしめた。
「なんだよ、真絵〜」
「ごめ〜ん。これはキスしたくなるよ」
「な!だろ〜。じゃもう一回」
チュ〜。
ギュ〜。
「じゃ気を取り直して‼︎目つぶって、雄信」
「はい」
オレの手を優しく握る真絵。
うはぁ。
手握られただけなのにドキドキするじゃん。
なんだよ。このゲーム。
ってか、オレが提案したのか…
そしてオレの手は、ある場所に乗せられた。
ん?
髪の毛が当たってるけど、頭じゃないなー。
あ!わかった。
「肩‼︎」
「正解〜‼︎」
「じゃ次オレ」
真絵の手をオレの首に乗せた。
さわさわさわ
く、くすぐったい。
なんでオレは首なんか選んでしまったんだ
ろう。
うはぁ…やべーっすよ…。
「えーと、」
さわさわさわ
「く、くすぐったいよ〜。ギブギブー」
ふふふ
「真絵〜。わざとさわさわしてただろ〜」
「うんっ」
「んもー。まさか自分がギブとか言うとは、
思わなかったわ」
アハハ
楽しく過ごしていたらいつのまにかお母さ
んが帰る時間になっていた。
ガチャ
「ただいまー。なんかいい匂い」
「チャーハンだよ。雄信と作ったの」
「わぁ、ありがとう。雄信くんに真絵。」
「いえいえ、じゃお母さん帰って来たしオレ
もそろそろ帰るわ」
「うん。おやすみ」
「おやすみー」
こうして初の交際後のお留守が楽しく過ぎ
たのであります。
続く。