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03

そして、バビューンと国境を守る砦の街に辿り着いた私はサクッとギルドでポーターとして登録すると神様に指示された奴隷商を訪れている。


「こちらの奴隷達は、どれも教育が終わっておりまして護衛として問題無いかと」


手をモミモミしながら説明をしてくる濃いめな店主に連れられて、お店の中を見て回っていた。


「奴隷のお買い物は初めてですかな?それでしたらフィーリングが大切ですよ。こうビビッと来る感じがですね」


熱心に奴隷の選び方を教えてくれているようなんだけど、笑いを堪える方に必死であまり頭に入ってこない。

フム、ビビッとな?とあたりを見渡すと窓辺で居眠りしているエルフさん発見!わぁ、美人さん…男性ですよね?と凝視していたらフフフッと目を瞑ったままこちらを向いて笑われた。


「失礼、お嬢様。眠っているのでは無くて、私の眼は抉られて開かないのですよ。ですが、魔法で補助しているのでハッキリとお嬢様が見えておりますよ」


お、お嬢様って齢じゃないですぅ。って違うところにテレてしまったけどソコじゃない。多分、エルフさんが一人目かな?と思った訳ですよ。店主、ビビッと来ました。


「初めて旅に出る為の護衛を探しています。結構な長旅になりますがお願いできますか?」


真面目に聞いたのにエルフさんがクスクス笑ってます。


「お嬢様、奴隷にお願いは不要ですよ。どうぞ、命令して下さい」


奴隷に命令とか、日本人の私には無理だよね。命令しなきゃ駄目なら他の人を探すか…と目をそらした途端エルフさんが焦った様子で足元に跪いて頭を下げた。


「何か、お気に触りましたでしょうか。申し訳ありません」


先程までの余裕どこいった状態のエルフさん。顔が真っ青ですが大丈夫でしょうか?尖りお耳もプルプルしてますよ。


「えっと。命令とかしたこと無いので難しいかなって思って」


やっと顔を上げたと思ったら呆然と言う言葉がピッタリなお顔はやはり美人さんですね。


「あの……」


言葉を失ったエルフさんの肩に店主がポンポンと手を置く。


「こちらのお嬢様は、今までお前が相手にしてきた人達とは違うのだよ。お前と対等に話をして下さっている。それを無碍にしてはいけないよ」


ハッとこちらを見るエルフさん。うん、美人さんだな間違い無い。


「私を護衛にお連れください。お願いします」


逆にお願いされちゃったな。勿論。


「こちらこそお願いしますね」


店主がウンウンと感慨深げに頷いていた。エルフさん闇が深そうだな…。眼も抉られたって言ってなかった?うん、後で考えよう。

さて、気を取り直してもう一人。と、思った所で頭の上から声がした。


「俺を連れて行ってくれないか」


うん?と振り向くとお兄さんがこちらを見下ろしていた。お兄さん身長高いですね。私より頭一つ半位大きい気がしますが、首が疲れますね。と思っていたらしゃがんでくれた。


「俺は元騎士で冒険者の経験もあるが、この通り左腕の肘から下が無い。だが、魔法で補える。どうだろうか」


どうだろう?二人目はこのお兄さんかな、と思いつつエルフさんをチラリと見ると。顎に手を当ててウンウンと頷いていた。


「彼は元高ランクの冒険者です。旅慣れているでしょうし、ギルドにも顔が利くので良いのではないですか?」


じゃあお兄さんで決定でと店主の方を見ると、何故か目に涙を浮かべていてギョッとした。


「私としたことが失礼いたしました。この二人に善きご主人様が見つかって本当に良かったと思いましてな。ハハハッ」


良かった良かったと、二人の肩を叩く店主は、本当に良い人だったみたい。


「では、契約と参りましょう」


その後は、問題無く奴隷契約を二人と交わして私は奴隷持ちとなった。お金は王様からせしめたお金と私の貯金からも少し足して出した。なかなか主人の付かない傷物の二人はお安くなっていたそうな。


それから店主曰く、主人が許可すればギルドに登録出来るそうなので早速ギルドへ向かった。こちらも問題無くサクッとギルドに登録する事ができた。





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