表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/24

02


「ギルドでの登録が終わったら護衛の為に奴隷を契約購入してね」


神様の口から奴隷と言う言葉が出てビックリする私に補足説明をしてくれた。


この世界の奴隷には、2種類ある。

1つ目は、私の認識通り犯罪者の奴隷。この人たちは基本、刑期が終わるまで罪の贖いとして働かされる。

2つ目は、借金奴隷。お金が無くて親から売られた子供や自らを借金のカタとして売った者等を言う。借金奴隷の人達は奴隷として働く年数が決まっているのである意味、借金奴隷を買うのは慈善事業なのだとか。


「じゃあ、借金奴隷を2人選んでね。一人だと休憩出来ないから必ず2人ね」


やたらと2人と念を押す神様に何か引っかかるが頷いておいた。


「じゃあ、そこのゲーム機を立ち上げてくれる?」


え?ゲーム機?と思いながら、これからの余暇を楽しもうと新しく購入しておいたゲーム機を言われた通り立ち上げる。


「あれ。何か新しいソフトがインストールされてる」


初期画面に謎のアイコンが鎮座している。


「それを立ち上げて…そうそう、そのボタンを押すと君の立ち姿が360度見れるから好きな服装に変えてね。髪色と瞳の色も変えられるし、肌の色も変えられるよ」


うん。ゲームのキャラメイクですね。私が立体画像で表示されているこのシュール感!アラサー女性が表示されたこの残念感!


顔貌(かおかたち)、体型は変えられないんだ。ごめんね」


と悪びれなく謝る神様、あなた確信犯だろう。

取り敢えず、確信犯は置いておいてキャラメイクを始める。

お城に居た人達は、王侯貴族とあってキラキラの西洋人風だったから黒髪黒目の日本人は目立つかなと。髪は赤毛と言うかジンジャーヘア位に、瞳もグリーン掛かったヘーゼルと目立たない程度にして肌の色を少し白くした。日本人にしては彫りが深めな顔立ちのため、それ程違和感は無いはず。

服装は動きやすいようにアオザイ風の物があったからソレにフード付きのマントにした。


「うんうん。いいんじゃない?違和感無いよ」


と、神様にお墨付きを頂いたし、いい感じに出来たんじゃないかな。


「後は、護身用の武器だけど。コレどうかな」


画面操作をして表示されたのは、銃。しかも2丁。

1つは装飾された小型の美しい拳銃。もう1つは、ライフル銃だった。


「いやぁ、素人に銃は無理なんじゃ…」


と、ゴネる私に魔導式拳銃で自動追尾型でターゲットも自動補足だから大丈夫と丁寧に説明された結果、丸め込まれました。ライフル銃も同じ仕組みだそうで。但し威力、飛距離、共に最大火力設定が可能だから設定に気をつけてねと注意有り。

うん。護衛さんに頑張って頂こう。


「最後に移動手段はね…コレね」


と、神様が表示したのは。


「え?コレ、魔道士のロッド?」


そう、魔道士が使う初級装備のシンプルな赤い石が嵌め込まれただけの銀のロッド。セットで浮遊するクリスタルが付いている。


「コレに腰掛けてバビューンと移動出来るよ。クリスタルはナビをしてくれるからね。自動追尾だから行き先をセットしたら腰掛けてるだけで大丈夫」


異世界とは、良いものがあるんですね。


「アラサーの体力が保つか心配だったけどコレがあれば大丈夫そう」


この世界のアチラコチラに点在するマテリアルに辿り着くまでに力尽きそうだと心配してたんだよね。

ついでに、防御陣が展開されるから無風状態で飛んでくる小石や枝なんかは防いでもらえるらしい。コレって護衛の必要性あるのかな?


「準備はこんな物かな。後は、頑張ってとしか言えないんだけど」


何から何まで準備万端状態のアラサーの私に、神様は子供を送り出す親のような心配顔をしている。何せ、怪我したら困るからと治癒魔法が使えるように聖属性を最高位まで引き上げてさらに防御の加護やら何やらをこれでもかと掛けてあるのにまだ心配らしい。


「困ったら神殿に来るんだよ。心配になったら一度帰ってくるんだよ」


初めてのおつかいに子供を送り出す母親の様な事を言っているなとニヤニヤしてたら怒られた。


「困ったらちゃんと神殿に相談しに行きます。心配しなくてもこれだけの加護が付いていたら問題も起きようがないですよ」


何度も何度も念押しをして神様は、帰って行った。


「さて、まだお昼すぎだからギルドへ行けるかな」


と、ナビをセットして準備をしたら誰も居ない部屋に向かって「行ってきまーす」と声をかけて出掛けた。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ