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08

そう、二人に出会った時からの違和感!


「いくつって、13歳くらいじゃないのか?」

「ええ、ですから私もお嬢様と初めお呼びしましたね」


あぁ、本当に照れている場合じゃなかった。


「一応、二十代の後半で大人です。お酒飲めますぅ」


恨みがましく二人に訴えると今日一番驚いた顔をして何度目かのフリーズを起こした。


「イヤイヤ、それはどう見ても無理がある」

「ええ、今日の話の中で一番信じがたいのですが」


二人して全否定してますが、事実アラサーでございます!力説している私の前で何やら考え込んでいたルカがバッと顔を上げると「ステータスの確認をしてみて下さい」と真剣に言って来た。


「え?ステータスって見れるの?」


ゲームじゃあるまいしって言い切る前に目の前にブオンと画面が表示された。


「うわ、まんまステータス画面。ウェッ…年齢20歳になってる。神様どういう事?年齢間違えてるよ?」


と騒いでいるとピコンと画面の右上にメッセージマークが付いた。


▷アラサーの体力でこのお仕事は乗り越えられるのか心配!って言ってたからちょっと若返らせといた。

言うの忘れちゃった!ごめんね〜!


うん。神様、大事なことです。先に相談してほしかったです。特に若返りは望んでいなかったんだけどな。後で鏡を見てみよう。シミとか小ジワとか減ってたら嬉しいな。日本人が若く見えるからって13歳は絶対に盛ったよねぇ?確かに、身長低いしお胸の発育もあまり良くはないけどさぁ。


現実逃避をしていたらピコンと新たなメッセージが届いた。


▷二人の腕と眼、最高位の聖属性のスキルで治せるよ。練習台にレッツトライ!


うん、一回落ち着こうか。スゥ~ハ〜と深呼吸してから二人を見つめる。


「神様からメッセージで、年齢を20歳に若返らせたって。それから、二人の腕と眼を治すことができるって。但し練習台として」


うん、今度は魂が抜けたみたいに成ってるね。当分帰ってきそうにもないな。


―――――――――


二人の魂が戻ってくるまでにササッと食べ終わった食器と冷めたBBQの網も一緒に食洗機に入れてスイッチオン。


リビングで落ち着くハーブティーを入れて二人を呼んだ。


「ルカ、そこのソファに座って。足開いて、上向いて、そのまま動かないで」


足を開いて座ったルカの前に立って両手を閉じた眼の上にそっと置く。ビクッと驚いたルカを無視して治療を始める。


最上級治癒(エクストラヒール)


さっき見たステータス画面にあったスキルを唱えると掌がピカッと光った。フッと何かが体の中から抜けた感じがして両手の下の光が終息したので手をどかしてみた。


ルカの長い睫毛がフルフルと震えてアメジストの様に透き通った瞳が見えたかと思ったらブワッと溢れ出した涙によってキラキラと輝いた。


「アハハ、ちゃんと見えてる?」


戯けて手を振ればその手をガシッと掴まれた。何度もウンウンと頷きながら静かに涙を流し続けるエルフさんはやっぱり美しかった。


「じゃあ、次はディーンね。左腕を出して」


ルカの瞳を呆然と見ていたディーンの肘から下が無い腕を掴むと勝手に両手で包んだ。


「やっ、ちょっと待て!心の準備が」


スルリと腕を抜くとディーンは腕を抱きしめるようにして私から体を目一杯離した。


「何か女の子に如何わしい事をして拒絶されたオジサンの気分」


とシューンとした私に「イヤッ、違う!ごめん」と字面だけなら謝る彼女の様な事を言ってくるからブハッと笑ってしまった。


「あの、お願いします!」


と差し出された腕をもう一度両手で包み込んだ。


最上級治癒(エクストラヒール)


二度目のスキルの使用は、ハッキリと体の中から何かが流れ出すのを感じた。コレが魔力かぁ、と考えながら光る掌を見ていたらディーンの肘から先に光が集まって指先までを形成してパンッと弾けた。


「俺の腕が…指に感触がある」


ニギニギと手を握って開いてを繰り返すディーンの長い指をギュッと掴んでみるとちゃんと暖かくて血が通っているんだな、と安心した。


突然ソファから降りて跪いたディーンが騎士の臣従礼(オマージュ)を取った。


「リン様に心からの感謝を申し上げます!」


突然の大きな声にビックリしたけど、まぁそれ程感情が昂ってるんだろうなぁ。と見てたらルカに「何か声をかけてあげてください」と言われてしまった。


「えーと。旅の護衛に期待しています」


と伝えたらルカの綺麗なアメジストの瞳が残念な子を見るようで居た堪れなかった。


「ご期待に添える様、誠心誠意尽くさせていただきます!」


と言うディーンに「そこは程々で」と言ったら崩れ落ちた。解せぬ!




 


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