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【勇者が】残念なPT【最弱】  作者: 残念なPT
1/1

勇者さんが最弱なのでほぼ(規律的に)壊滅的ですが今日も頑張ります。by初心者

この小説は分の書き方なんざ知らない初心者が書いた壊滅的な小説(?)です。

ギャグ多めのたまにシリアスで進んでいきます。

よろしくお願いいたします。


勇者さん、あなたは最初からとても優しい人だった。

だからきっと、こんな仕打ちをされても全部許してしまうでしょう。

きっと解っていたのだと思います”世界はこうして救われる”って


でもね、でも…私たちは


―――あなたのPTは…っ!



__________________________




じめっとした地面、鬱蒼(うっそう)と茂る木々、後も先も薄暗い森の中で私たち勇者パーティーは新たな街【アラタナール】へ向かって旅を進めていました。

初めまして、私は勇者PTにお供する『初心者(しょしんしゃ)ちゃん』と申します。

流石にあだ名です、安心してください。

ですが私は冒険者に憧れ田舎から”魔王討伐を果たした”という勇者のいる王都『ユウシャ・エラビィ』に出てきた唯の十代の小娘。

ひょんなことから勇者さんにPTに入れていただけただけの至極ラッキーな唯の平凡ガールなのです。

冒険も旅も超初心者、だからこのあだ名を未だ払拭できずにいます。

自分語りが過ぎましたね、話を戻しましょう。

私たちは約4時間前からこの森を、魔法使いさんの先導によって歩いてます。


…4時間


4 時 間 で す



「勇者さん、私こちらの道は違う気がします…」

「う、うん、ねぇ魔法使いくん本当にこの道あってる…?」

「あってるよ」

王国魔法使いの魔法使いさんは頭脳明晰(ずのうめいせき)容姿端麗(ようしたんれい)文武両道(ぶんぶりょうどう)の天才魔法使いとして名を馳せています。

そんな彼が地図を間違えるはずもないのは、従順招致なのですが…。

隣に並んで歩く勇者さんの肩は不安げに震えています。

無理もありません、先ほどから魔法使いさんは上機嫌に鼻歌混じりに歩いています。

こういう時は危険です、なぜなら彼は根っからのサディスト。

10か月という過去の経験上、彼はこういう時とんでもないことを企んでいます。

それに勇者さんも気づいているのでしょう、口をハクハクさせてやっとの思いで声を出しました。

「もしかして、だけど、あの、意地悪してたり、何か企んでたりしてる…?」

「してるよ」

「「してるの!?」」

「クルッポー!」

勇者さんとハモった、いやそれどころじゃない!!

魔法使いさんは正直者、だからこそ怖いのです。

はぐらかずに何かを企んでいる時は今まさに相当ヤバイ時を迎えてます…!

このままでは一体何を企んでいるのか、顔を見合わせ私と勇者さんは恐怖します。

このままではヤバイ…!!なんかとんでもなく嫌なことをされる!!!

「あ、あのっ!道がもう途切れて大分経ちますし引き返しましょう!」

「近道だから仕方ないさ」

「ホーッホーッホッホー!」

近道かぁなるほど、だから人道ではなく獣道を進んでいるのですねーじゃない。

難しいかな、彼は目的を効率よく進める中でヤバイ事を仕掛けてくる人です、回避するために色々策を練ってももはや避ける術を初心者な私は思いつくこともなし。

勇者さんに至ってはもう既に声もなくボロボロ泣いています。

ちなみに先ほどから鳴いているのは鳩に変化(魔法によってか完全な鳩と化)した忍者さんという女性の声です。

忍者さん…人の頭に乗って忍んでいるのか忍んでないのか分からないですね。

「あっ!!」

そうです、そういえば忍者さんは我らがPTの貴重品を管理している方でした。

貴重品の中には二枚目の地図があったはずです。

幸いにも魔法使いさんは全員の前を歩き、ゆっくりと歩く私たちは少し離れ固まって歩いています。

「っ…ねぇ勇者さん…二枚目の地図は忍者さんが持っているはずです…」

生唾を飲んで魔法使いさんを注視しながら勇者さんに小声で話しかけます。

聞こえてないよね…?忍者さんが狂ったほうにホーッホーッホッホー!鳴いているから大丈夫なはず。

「私達だけ別ルートで進むのはいかがですか…流石に」

このままでは危険です、と言いかけたところで隣の勇者さんに視線だけを向けます。



―――しかしそこには誰もいませんでした。



「ゆ、勇者さん…?」

私が勇者さんだと思っていた影は、ただの木でした。

薄暗い場所での木の葉が風で軽く揺れ、髪の毛に見えていたのです。

では一体、いつから勇者さんは…!?



「――ひえええ!!!助けてえええ!!!!」

勇者さんの悲鳴が聞こえるのと、魔法使いさんの吹き出す音は、ほぼ同時でした。



 

「・・・魔法使いさん、アレは」

「人食い樹だねぇ」

「あるの分かってましたよね?」

「うん」

「……確かにここは目的地よりも近道ですがたしかドクロマークが…」

「効率的だろう?早く休みたがっていたし」

「アレじゃあ永遠のお休みですよ!勇者さーーん!!」



駆けだした私の手には木刀。

ぐるぐる巻きに人食い樹に蔦を巻かれた勇者さんは逆さまでギャン泣き。

魔法使いさんは楽しそうに声を上げて大笑い。

忍である忍者さんは人食い樹が動き拓けた青空へ飛び立っていきます。



これがかつて最強と謳われた勇者のPT御一行と

新たに加わった初心者冒険者こと私の、ドタバタ冒険記です。



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