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かみさまのいるせかい  作者: MIH
20/22

魔王軍四天王!

卒業試験なんて言ってはいるけど、いつもの初心者の森へ行きいつものゴブリン退治とオーク退治と薬草採取である。ブラウマン先生が一切の助言などをしないで採点するのだがPTで動いてよっぽどの問題がなければそのまま冒険者になれる。


何度もこなしたクエストで森のちょっと奥にいるオークも何匹か退治してそろそろ戻ろうかという時にダークが敵を感知した。

「なんか・・・なんかやばそうなのが来ますよ。右前方から接敵1分。」

そう言うと木々の間にすっと溶け込むように気配を消す。


ブラウマン先生の導く者が最大限の警戒を告げたようですぐに全員に聞こえるように叫ぶ。

「皆!急ぎ撤退だ!逃げるぞ!!」


逃げるのはいいけれどその大声は相手に聞こえると思うんだけどなぁ。

ジルコニア君とブラウマン先生を殿に逃走体制を整えるけど、さっきの声でこちらに気が付いたのか敵がスピードを上げてきた。多分逃げきれないし、実はそろそろかなぁとか思っていたので見えないけどダークにサインを送りソフィアに頷いて迎撃態勢を取る。ブラウマン先生とヴィルヘルム君が驚いて逃げるように言ってくるけど半年前の王都の魔王軍幹部の情報を得てから色々と対策は考えてきたのだ。

神々の手回しで襲い掛かるだろう脅威をいかにかっこよく屠るか。ダークとソフィアには転生云々は言ってないけどこの世界の成り立ちやオレが狙われて事件に巻き込まれる事は相談済みで必殺技もいくつか考えてある。今回は安全第一で本気でやろう。理屈の上では勇者にしか倒せない魔王でも魔王しか倒せない勇者でも殺せるハズだ。


木々の間から姿を現したのは2人・・1人と1体?。

青い肌に頭に短いツノ、背中に悪魔のような翼。もちろん見るのは初めてだけどザ・魔族って感じだ。

その隣にいるのがよく分からないけど多分スライム。メタリックな感じで7色に揺らめいている。軽トラくらいの大きさのグミだ。まずそうだけど。


オレ達を見つけて歓喜の表情で魔族が叫ぶ。

「カーッカッカッ人間共を根絶やしにする第一歩が幕を開けるゼ!驚きひれ伏せ!そして死ね!我こそは魔王軍四天王!魔獣使いカスペルアーノ様だ!」


オレは一人前に出て力を開放する。

眠れる(スリーピング)森の美女(ビューティー) 固有結界”眠る世界(ワールドブレイク)”」


「なにをしようとムダだぁ!この伝説の魔獣オリハルコンメタルスライムは物理無効!魔法無効!取り込まれれば装備だろうが人間だろうが3秒で溶かして跡形もなくなる!!だぁがぁ女は別だぁ服だけ溶かして素っ裸にしたあとゴブリンの群れに投げ込むんだぁぁひゃーっひゃっひゃ」


最後のセリフでちょっと心が揺れたけど、そんな危ないのオレがフツーに死ぬしね。予定通り両方ここでくたばってもらおう。


「やれ!」

魔族の指示でオリハルコンメタルスライムの体から槍のような触手が何本もこちらに殺到する。

凄いスピードで迫る触手はオレの2mくらい手前から段々スピードを落とし手前で力尽きたように地面に落ちていく。


「なんだ・・。」

魔族が警戒度を少し上げる。

「寝てるんだよ。」

親切なオレは教えてあげる。

「くだらないデタラメを!スライムが寝るわけねーだろがっ!!!!」


その瞬間すでに四天王の後ろにはダークが音もなく潜り込んでいてソフィアと作った秘密兵器の一つ刀身のない短剣の柄を魔族の後ろから押し当てていた。

光は闇となり(シャイニング)・・・。」

魔族の胸から光の木の枝のようなものが背中から貫通して生えてきた。

闇は光を食らう(チェインドダークネス)。」

胸から生えた光の枝から6本の闇の鎖付き苦無が地面にある魔族の影に突き立った。


腐っても魔族で四天王なのだ、これで倒す事は出来ない。けど動きを封じて声も出せないのでスライムに指示も出せない。


自分の触手が動かなくなったのにしびれを切らしてスライム本体がこちらへ近づいてくる。


四天王が言ったようにスライムは睡眠をとらない。ゴーレムなんかや多分精霊なんかも人間でいう睡眠はとらないし、そもそも寝ることが出来ないだろう。普段の直接叩いたり触ったりして力を送り込んでも寝ない種族は眠らせる事は出来ない。だから考えた。コストが重くて実際に使うのは初めてだけど上手くできているようである。


神の力で満たされたこの世界で唯一オレの周りだけには神の力がない。きっちりなくなる訳じゃないけど2.3メートルから5メートルくらいまでかけて神の力がだんだん増えていく。オレという異物から逃げてるだけなんだけど、オレの周りだけこの世界の神がいない場所が出来るのだ。そこへ普段オレの中で溜まっている力を流し込む。今回で大体2年分くらい。オレの力で満たされたオレの周りはこの世界の神の世界から隔離される。大した事が出来るワケじゃない。ただ眠くなるのだ。世界が。世界の理が。

寝る事がない、寝た事がないスライムが眠くなるという現象に、ここだけに適用される世界のルールに抵抗など出来るワケがないのだ。


2メートルほど先でオリハルコンメタルスライムが水たまりのようにぐってりしている。ぶるぶるしてはいるので多分寝ているんだろう。


四天王は驚いてはいるがまだ余裕な感じだ。スライムも死んでないしそもそも物理も魔法も効かないらしい。本人もステータスは高そうだしダメージは入ってるようだけど倒されない自信もあるのだろう、拘束を解こうともがいている。


ダークは役目は果たしたとばかりにすでに姿が見えない。結局オレとダークがやるのは足止めだ。だって全てを破壊するアタッカーは別にいるのだから。


後ろで推移を見守っていたソフィアの扇がパチンと鳴る。もちろんぼーっと見ていたワケじゃなくここいら一帯、ヘタするとこの森の全ての神の力がぐんぐん集まってきている。神の力が見えない他のみんなには一切伝わらないけどオレの妹がヤバイ。


ソフィアの授かった神の恩恵、魔法剣。剣の形をとればどんな事でも出来てしまうチート級の力。

そんな訳がない(・・・・・・・)。確かにいろいろ吹き込んだのはオレだけど本来魔法剣はそんな事は出来ない。図書館で調べた。魔法剣を頭のおかしいスキルにしているのは、ソフィアの(おそらく)生まれ持った”神の力を集める”才能だ。ギャダムは本来料理の神の力しか使えないし、間違っても邪神の力は使えない。でもソフィアは使える。神の力を、邪神を含めた全ての神の力を才能で集め魔法剣という型に無理矢理押し込むのだ。もちろん教えてあるので今は意図的に集める事が出来るようになっている。


魔法剣(神の力)


集められた膨大な神の力が(含む邪神)ソフィアの前に現れた1本の剣に押し込まれる。

それを見た四天王がちょっと慌てはじめてじたばたしている。


だが、ソフィアの表情は芳しくない。手加減を覚えたように大体どれくらいの神の力があれば敵を殺せるのが感覚で分かるらしいので、まだ足りないのだろう。だが、四天王もそう長く拘束できないしスライムも力を解除したら普通に起きてオレが殺されるだろう。


「ヴィルヘルム。」

ソフィアがそう呼びかけるとヴィルヘルム君はすぐに近寄りバフをかける。

「ブーシャープネス!ブーマジックアップ!」


たしか集中力を上げるバフと魔法の威力を上げるバフだったはずだ。だが違う。違うんだヴィルヘルム君。ソフィアが欲しかったのは森中から神の力が集められたのにヴィルヘルム君にまとわりついて必死に抵抗しているおなら神の力なんだ!。

ヴィルヘルム君がバフをかけて協力したのを呼び水にソフィアの魔法剣におならの神の力が無理矢理詰め込まれていく。抵抗しても川の流れのように止まらない。

全ての神の力(邪神、おなら含む)をロングソードほどの魔法剣に詰め込むとソフィアは胸元の扇を敵に向けて振りかざす。


「神滅剣」


ロングソードほどだった魔法剣が畳針ほどの大きさに圧縮され、光輝き闇とおならを纏い、フッと消えた。タイミングを見計らって眠れる(スリーピング)森の美女(ビューティー)を解除した瞬間、オリハルコンメタルスライムと魔王軍四天王の体の中でキンと音が響いた。


オリハルコンメタルスライムと魔王軍四天王の体が塵となって崩れていく。物理無効だろうが魔法無効だろうが意味はない、アレを防ぐには神の力無効じゃないとだけど神の世界であるこの世界には神の力無効なんていう恩恵はもちろんないのである。

塵となった2体の敵の跡にはつけもの石くらいのでかい魔石だけが残った。2つとも真ん中に穴が開いているので価値はないかもしれないが。


みんながぽかんとしている内にやるべきことを済ませなければならない。正直眠気がもう限界だけど話し合っていた予定はまだ終了していないのだ。


ふらふらとヴィルヘルム君に近づき、がしっと肩をつかんで

「さすがヴィルヘルム君だ!君がいなかったらきっとみんな死んでたよ!」

さわやかに、さわやかに?言ってやった。

「全く!全く!魔王軍四天王を倒すなんて、ヴィルヘルム殿はすごいでゲス!」

ダークがどこからか現れ聞いたことのない口調でそう言ってまた木々の間に消えていった。

「なかなか、やるじゃない。」

ソフィアが無表情でセリフを言う。


みんな”えっ?”って顔をしているけどこれでミッションコンプリートである。

「じゃあオレは寝るんで、ソフィ、魔法剣使えるようになったらはこんで~zzz」

もうちょっと神の力が復活しないと魔法剣も使えないけどもう限界なのらー



起きたら家のベッドの上だった。もちろんまたすぐに寝るんだけど、一応どうなったか聞いてみた。

あれから2日経っているらしい。どおりでおなかが空いて目覚めたワケだ。イレギュラーはあったけど試験自体は全員合格。そしてブラウマン先生からヴィルヘルム君とオレとソフィアとダークが王都のハイ学校(スクール)に推薦されたらしい。予定通り断ってもらってある。勇者とか聖女とかと楽しいスクールライフとかまっぴらゴメンである。また時間をかけて力を貯めないと(寝ないと)次に巻き込まれた時に対処できなくなる。ブラウマン先生は大分興奮していたようだが、オレ達のヴィルヘルム君に功績をなすりつけよう作戦はナーラさんのとりなしで大体かなった。有名になりたくないと言ってヴィルヘルム君がメインで倒した事になっている。国の上層部にはちゃんとした報告が行くだろうけど、そもそもあの場でナニが起こったのか分かっているのは3人だけだ。報告が行く国の上層部はナーラさんの元取り巻きがほとんどなので国が滅びそうとかでもなければ接触してこないだろう。恐るべしナーラさんのおならの力(影響力)


晴れて学校(スクール)も卒業で、一人前の冒険者としての生活が始まる!。たぶん1週間後くらいに!。眠いからね!力の代償だからね!しかたないんだ!。ゴハン食べて寝よう。おやすみなさい。

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