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夏目漱石の弟子を養いたい!  作者: 小宮冬司
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3.引き継ぎ作業(垣間見えるあいつらの性格)

今日はみんな大好き日曜日。現在7時。お昼までベッドに入ってゴロゴロしようと思っていたら、父に仕事の引き継ぎがまだ残ってると言われて無理やり起こされた。

「まだ眠い」寝巻きのまま、テーブルに向かい合って率直な気持ちを述べると軽くデコピンされた。

「痛い」 おでこを押さえた。

「当たり前だ、寝ぼけるな」怒声が飛んだ。

“引き継ぎ”っつったって、何するの……。

家賃のとりたて方?それとも野郎共の酒盛り後の効率の良い片付け方法?

そんな冗談を考えていたら眠気が覚めたので真面目に話を聞くことにした。父のこんな真剣な顔は初めて見るかもしれない。

一体どんな業務内容なの__?

「まず教えたいのは」ごくりと唾を飲み込む。

「家賃のとりたて方だ」

え?冗談で考えてた事が本当に業務内容だったなんて、あの人たちに家を貸してて大丈夫なの?とは言えず。父はどんどん話を続けた。

「家賃をきちんと払ってくれる人は約半数だと思え」これ、シェアハウスの管理人の言葉じゃないよ。

「野上くん、寺田くん、アベくんW、松根くん。この5人はよっぽどの事がない限り家賃はちゃんと払ってくれるから最初はここの家賃のとりたてに行け」

知らない人まで出てきたし。

「アベくんWって誰?」仮面ライダーみたい……

「アベくんが2人居るんだよ。阿部くんと安倍くん」

へぇ、兄弟じゃないのか。でもやっぱり家賃のとりたてが難しいのって、あの三馬鹿じゃない?1回しか会ってないのにあいつらの性格が掴めてきたよ。

「特に難しいのが馬鹿三銃士だ。小宮くん、三重吉くん、森田くん」

だよねー、知ってた。あの3人の呼び方がお父さんと似てるって、親子だなぁ。

「ちょくちょく足を運んで金の流れを把握しろ」だから本当に管理人の言葉じゃないよ、それ。でもお父さんが2日に1回はシェアハウスに行ってた理由が分かった。我が家の収入を確保するためだ。

「でも、あと10人弱入居者はいるよね?その人たちはどうなの?」

父は口をつぐんだ。眉間に皺を寄せて

「世の中、知らない方がいいこともある」と。

え、本当に?家賃払わないから葬ったってこと?

「芥川くんと久米くんは失恋のショックで寝込んでる。松岡くんは結婚の準備、中くんは幼女を温かく見守ってたら警察に声をかけられてショックで寝込んでる」

他の入居者も問題だらけじゃない!特に中って人が1番やばい。芥川や久米も失恋で寝込むんじゃないよ!

あぁ、私はこれから管理人としてこいつらと共存出来るのだろうか。












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