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狐にこき使われる私
狐の下僕は3人いる。
犬の菊。
猿の椿。
そして、鳥の私。
なんだかどこかの桃から生まれた誰かを想像してしまうメンバーだけど、私たちの主はれっきとした狐である。
その上正義の味方ではなくどちらかと言うと悪の味方寄り。
殺人なんて朝飯前だし、他人の事なんてどうでもいいという屑の集まりだ。
けれども、そんな狐に私は仕える。
普通の優しい家族と一緒に過ごし、明るい友人たちと過ごしてきた極々平凡な私。
だというのに、どうしようもない程私は狐に愛されたくて仕方なかった。