第七話 世界のリユウ
それはおあつらえ向きだった。この陰惨な二人組がこの世界を崩壊させる張本人なのだ。蜃気楼は瞬時に理解した。琥珀の宝石に選ばれた、少女は悪辣だった。
「伝説のユウシャ様も今回の実験を見学されにキタのですか?」
その悪魔はなぜだか嬉しそうな声で蜃気楼に話しかけてきた。恐ろしい黒いローブか、ヴェールのようなものを被った、長身で細身の姿だった。顔には……鋼色の仮面か、歯車のようなものが張り付いていた。おおよそ人間のそれとは違った。
もう一人の女の子は悪魔に寄り添っていた。まるでこの世界の唯一の友人であるように。
悪魔はまるでショーの説明のようなものをしはじめた。
「この子のたってのネガイなのですよ。この世界をホウカイさせることは」
悪魔はまだ小さな女の子をさらに抱き寄せた。
「この子の名は『メルヴィ』、見てわかる通り、両親はこの地の者にサツガイされたのですよ……」
悪魔は心の底からその少女を憐れんでいるようなしぐさをした。
蜃気楼は悪態をついた。
「それで、この世界を崩壊させた後はその子をどうするつもりなんだ?代償はなんだ?」
蜃気楼は辛辣な表情だった。
悪魔の表情は顔に張り付いたものでよく分からなかったが、うつむきかげんでにやにや笑っているように見えた。
「なにもダイショウなどありません。メルヴィの両親が殺された時、次はメルヴィの番でした。その時メルヴィは悪魔にネガッタのです。それから私めは彼女のユウジンになりました」
悪魔は陰鬱な存在だった。そうであるにも関わらずショーの主催者になったのだ。この世界を滅ぼすという、大義名分を。
「あなたほどのオカタに見学に来ていただけたのならミョウリに尽きるというものです」
悪魔は蜃気楼に対し、異常なほど紳士的な接し方をした。蜃気楼はピリピリした。
「この世界のシュウエンを是非ともミテいって下さい」




