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第十三話 イカレタ世界

 蜃気楼はそうこうしている間にいら立ちが沸き上がった。

 一国の姫。

 その情報は調べるまでもなかった。

 その姫は慕われていた。一研究者としてだ。

 魔法とたかが昆虫の育成が癒着しているこの世界で、それは見せかけだけのものではなかった。


 自分とは違うもの。


 蜃気楼のようなアニオタとは正反対の人物。蜃気楼が欲しかったアニメの中の能力。それらを全て持ち合わせているのだ。

 蜃気楼はアニオタである。一国のお姫様がオタの相手などしてくれるだろうか?

 否。否だ。


 なんか考えが変わったよ。


 今回は交渉だけのつもりだったが、完全にスイッチが入ってしまったよ。


 暗殺だ。暗殺の計画を立てようじゃないか。


 蜃気楼はここらへんでもっとも頭のおかしなならず者の集まる場所へ赴いた。交渉は簡単だった。

 背後から回り込み、そして精神支配の魔法をかける。

 数十人の精神を隷属した。そして憎悪を増幅した。ゆっくり、じわじわとだった。それは計画的に行われた。


 計画は明日実行するつもりだ。すでに配置は決定してある。その日付はちょうど本来交渉をする時間帯だった。

 交渉は分かり合えるはずだった。これから組織として仲良くしようと。

 だがそれは難しい話だった。

 蜃気楼のようなオタクくんの相手をお姫様が本気で相手にしてくれるはずもないのだから。

 姫の暗殺、そのお手本を世界に見せつけるしかないのだ。


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