第十二話 キマグレな世界
蜃気楼はこの世界に侵入した後、気まぐれに下調べすることにした。
蜃気楼にとって交渉など魔法の力でどうとでもなるのだが……。
この世界の王都を見た。
蜃気楼は今まで家に引きこもり可愛い女の子がたくさん出てくるアニメにうつつを抜かしていた。
それゆえに一歩踏み出す勇気がなかった。だが今はチカラを手に入れた。
王都はかなり広い範囲の円形の地理だった。
城を囲うように町が立て並び賑わっている。城の周辺の領域は静寂が広がっていた。
かつての蜃気楼ならば賑やかな中心になど赴く事は無かった。
自身にも分からなかった。
それはいらだちか、諦めなのかを。
ひどい騒音だった。がやがやと。
日本の町もこんなだったのだろうか。蜃気楼は今まで三次元というものに諦めていたことゆえにそれすら思い出すことはできなかった。
みな生きることに必死なのか、魔法の鱗片が数多く見受けられた。
その光景は健全なように見えた。
数多くの魔法の物品が列されていた。今となっては琥珀の巫女の保管する物品のほうがより多くの魔力が秘めてあるのだろうが……。
今でも蜃気楼は部外者の、第三者のようにそれらに接した。
いくつもある商店のアイテムに目が留まった。
蜃気楼にはそれがどれほどのものなのか予測することはできなかった。
彼はオタクゆえにこの地にいる人々に接することは出来なかった。
魔法の物品のほうが多くを語るような気がした。




