第十話 世界のジュバク
交渉は、必要な事だった。
それは琥珀の宝石に選ばれた伝説の少女からの提案だった。
先の冒険で陰鬱な雰囲気が漂っていたためにちょっとした催し物、すなわち。
バーベキュー大会を開こうというものだった。
といっても少女がかってに始めたものだが。蜃気楼は食べ物の好き嫌いが激しい。本当の意味での中二病なのだ!
しばらくすると少女は本題に入ってきた。次の世界へは交渉をしに行くというのだ。
「君ほどの中二が……交渉!?」
蜃気楼は驚愕した。先の世界を崩壊に誘導した張本人が!? 信じられん。
少女は呆れてしまったようだ。
「あのねえ。世界を崩壊させるには下準備が必要なの。次に行く世界ではお姫様と取引する必要がある」
お姫様……か。とうとうお目見えってわけか。
これは推測でしかないが、おそらくなんだかすごい魔法の力とかミラクルパワーの使い手なのだろうな。
まあ、どうでもいいことですが。
「案外俺達みたいな奴らの相手もしてくれるのか? その人は」
少女はなぜか笑っていた。
「ええ。何しろあなたが交渉するのだからね」
そんなのありっすか? 友達が一人もいない俺様が交渉?
「いいだろう」
なぜか二つ返事だった。
まあ、そんな下らない事はどうでもいいとして、蜃気楼には旅の目的が必要だった。動機というか。
蜃気楼はまた探りを入れることにした。
「なあ……あんたは……どうしてこんな活動をしているんだ? 悲しい過去があるのか?」
少女は無表情だった。
「……約束」
少女はなぜか遠くを見つめた。
蜃気楼は忘れていた。この娘はアニメや漫画の影響をつよく受けすぎている。
だがそれゆえに対処法はいくらでもあった。
「そうだな、俺も旅の目的を見つけたよ。君を……この呪縛から解き放つ!」
それは主人公に与えられた宿命だった。




