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第13話 厨二スキルを“ら~にんぐ”?

なかなか、次のキャラが登場しない……

「わたし、レベルが「5」にあがったよ!」

「へ?」


 ゴブリン達の戦利品(ドロップアイテム)を回収し終える頃、リナの元気いっぱいな声が響いた。いまだレベルが「1」のキョウマは素っ頓狂な声をあげる。


「嘘……だろ?」

「嘘じゃないよ。ホントだよ」


 恐る恐る尋ねるキョウマにリナは即答した。キョウマの驚きと疑いの眼差しにブイサインと満面の笑みをもってリナは返す。


「僕はまだ上がっていないのに……」

「ふっふっふ……兄さんとはデキが違うのですよ」


 落ち込むキョウマをドヤ顔のリナはあざ笑う。「もう、“へっぽこ”とは言わせない」と言わんばかりにその目は得意気だ。


~~~~~~~~~~

 

リナ・アキヅキ


LV    5

HP   60

MP   75

STR   9

VIT   8

AGI  12

DEX  12

INT  18

MND  16

LUC   6


スキルポイント残 3

~~~~~~~~~~


「LUCは置いておくとして、MPは直ぐに抜かれそうだ。他はまあ……」


 まだまだ“へっぽこ”、と言いかけてキョウマは言いよどむ。目を閉じ口元に手を添え考え始める姿に「気付いた?」とリナは意味深に問いかけた。


(レベルが二つ上の「7」のゴブリンリーダーよりも総合力では上回っている?それもただ“見ていた”だけで……いや、まてよ。あれか!?)

「考えられるとすれば【ラーニング】……だな?」

「多分……ね」


 思考の海から帰還したキョウマは一つの解を持ち帰る。リナのステータスにあったスキルを口にした。それまで笑みを浮かべていたリナも神妙な顔つきに変わる。


~~~~~~~~~~


・ラーニング

 成長速度上昇。

 強者の戦闘より経験値獲得、レベルアップ時のステータス上昇値増加。

 スキル、魔法を見切り習得(自身に適正のあるもののみ)


~~~~~~~~~~


「これは僕もうかうかしてられないな」

「うん……、わたし頑張るよ」


 小さくガッツポーズを作るリナ。似合わぬ仕草にギャップを感じキョウマは頬を綻ばせた。



 リナのステータスチェックを終え再び次の町へと二人は歩き出した。二時間程進む中、ゴブリンの他にゼル状の魔物——スライムとも戦闘することになる。数回、遭遇(エンカウント)し難なく撃退したところでリナは口を開いた。


「この【ラーニング】スキル……、一つ欠点があるの」

「欠点?そんなのあるのか」


 成長を促進するスキルに欠点があるとは考えられない。キョウマはリナの次の言葉を待つ。


蒼葉光刃心月流そうはこうじんしんげつりゅう……、わたし習得しちゃった」


「マジ?」

「マジです」

~~~~~~~~~~


 リナ・アキヅキ


≪スキル≫

・ラーニング

・メイドの極意 LV1

・応援 LV3

・指輪待機

・情報隠蔽 LV 10(MAX)

・情報解析 LV 10(MAX)

・指輪操作 LV5

・射撃特性 LV5

・魔導技工師 LV1

・分解 LV1

・料理は愛情!

・蒼葉光刃心月流 LV1 NEW!


~~~~~~~~~~


「いらないのにこんな厨二(・・)スキル。【ラーニング】って、わたしの意志に関係なくスキルを習得するみたい」

「何を言っているんだ。適正があるってことじゃないか!第一、カッコイイだろう!?」


 どこか遠い目をするリナに対し、キョウマは目を輝かせて力説する。木刀片手に素振りを始めるキョウマにリナは終始冷たい視線を送った。


「兄さんが想像力に任せて適当に作っただけじゃない!」

「“適当”じゃない!カッコイイ上、強いだろ。絶対、リナの役に立つって!」


「う~ん、強いのは……認める」

「だろ?」


 ドヤ顔を決めたキョウマを心底嫌そうにリナは見つめた。若干ウザイ義兄を放置して、ここまで見てきた戦闘を振り返る。


 ——蒼葉光刃心月流そうはこうじんしんげつりゅう——


 たった一つのスキルで多数のスキル効果を発揮していた。

 気配察知、見切り、先読み、連続攻撃、連続撃破、追撃、身体能力向上、刀剣技プラス補正……等々。

 

「人の想像力、って凄いね……」

「それ、絶対に褒めてないだろ……」


 生温かい視線とジト目のぶつかり合いは続く。均衡を破ったのはキョウマだ。収納空間から新たに木刀を取り出しリナへと手渡した。嫌な予感に駆られリナは顔を顰めてしまう。対照的にキョウマは笑みを浮かべた。


「少し、打ち合ってみようか」

「え~っ、ヤダ」

「拠点の風呂、今日だけ解禁してもいいんだけどな」

「……やる」

 

 “風呂”と言われれば話は変わる。すっかりその気になったリナは木刀を手に正眼に構える。

(結構、様になっているな……)


 キョウマもリナと同じく構える。


「痛くしたら、絶対ダメなんだから!」

「わかってるって、寸止めする。僕から一本とれたら明日も“風呂”いいからな」

「あ~っ!バカにした~」


 もう知らない、っとリナはそっぽを向く。視線を外した隙をキョウマは見逃さない。地を蹴り瞬時にリナへと近づく。気付いた時には首元へ木刀の切っ先が突き付けられていた。


「まずは一本……」

「う~っ、兄さんの鬼!悪魔!鬼畜!」

「隙を見せたリナが悪い」

 

 バックステップをとったキョウマは肩を木刀で軽く叩く。恨めし気なリナの視線をスルーして笑い飛ばした。


「もう、許さないんだから!」


 リナは木刀を腰に当て右手を柄に忍ばせる。腰を落としたその構えに見覚えのあるキョウマは絶句する。


「えっ、嘘だろ……」


——蒼葉光刃心月流そうはこうじんしんげつりゅう葉走(はばしり)——


 刀身が蒼く輝いた。光の度合いはキョウマのそれよりも弱い。——が、紛れもなくよく知る技……。


「なら、僕も……」


 キョウマの口端が吊り上がる。全神経を集中させたリナの表情は俯きわからない。互いが同じ構えをとる。寸分違わず同時に剣を振り抜いた。


——ドゴッォーン!——


 繰り出された技と技。戦いの始まりを告げる鐘の音として衝撃音が辺り一帯に響いた。



「そろそろ止めようか……」


 いくつかの攻防を繰り広げた後、キョウマは切り出した。構えを解いて木刀を収納空間にしまい込む。肩で息を吐き地にペタンと座るリナの目線に合わせてしゃがみ込む。


「まさか蒼刃烈牙斬(そうじんれつがざん)まで使えるとは思わなかったよ」

「はぁ、はぁ……、でも……、一本も取れな……かった」


 リナとは対照的にキョウマの息に乱れはない。俯いたままのリナに駆け寄り手を差し伸べた。手を取るリナの表情は涙目だ。


「お風呂……」

(そっちかよ!)


 悔しがる理由にキョウマは苦笑する。今にも泣きそうなリナを「仕方ないな」と手を引いた。立ち上がるリナは「だってぇ……」と漏らす。


「まあ、なんだ。頑張ったから、お風呂……いいよ」

「ホント!!」


 「二日連続シャワーは辛いか……」と続けたキョウマにリナは詰め寄った。目を輝かせて先ほどまでとは別人のようだ。流石のキョウマも頬を引きつらせる。


「嘘は言わない」

「ねぇ、兄さん……明日もい~い?」

「ぐぅ……わかった。いいよ。好きなだけ(僕のMP)使ってくれ」


 長い黒髪を揺らし上目遣いで甘える声を出す美少女メイド。キョウマに抗う術などあるはずはない。「お風呂、使えるようにする魔力……、取っておくようにしなきゃ」とキョウマはリナにとことん甘かった。


「あっ、【蒼葉光刃心月流そうはこうじんしんげつりゅう】のレベルが一つ上がってる。」

「早っ!!」


(そういえば途中から動きがよくなっていたっけ……)


~~~~~~~~~~


キョウマ・アキヅキ


種族 転生人

職業 竜魂剣士ドラグ・ソウルブレイダー


LV    1

HP  286

MP  122

STR 156

VIT 137

AGI 156

DEX 137

INT  39

MND  56

LUC   1


スキルポイント残 637


≪属性適正≫ (S~H、適正なしは「—」)

光 -

月 S

火 H

水 H

風 E

雷 F

土 H

闇 -


星 S【星竜闘衣】時、限定

全ての属性を一つに統合、統合した属性を星属性として行使可能)



≪スキル≫

・蒼葉光刃心月流 LV10

 剣技、身体強化、気配察知など、多数のスキルを兼ねる流派スキル。蒼葉光刃心月流の技が使用可能。


・逆鱗

 大切な人や物に危害を与えられたときに発動。怒りの度合いによりSTR、VIT、AGIに補正。

 怒りが最大に達した場合、【狂乱】へと至る。


・狂乱

 怒りが頂点に達した時、STR、VIT、AGIが三倍に上昇、INT、DEXが二分の一に低下。


・竜技

 竜の力を解放時のみ使用可。ブレスを始めとする竜の技をスキルとして発動することが可能となる。


≪魔法≫

・アクセル・ウイング

発動中、AGI大幅増。

時間経過とともにAGI補正値は増加する。動きを止めると、時間経過により加算した補正値は初期化される。

AGIの合計値の半分の値をSTRにプラス補正する。任意で周囲に風属性範囲攻撃可。

飛行可能になる。術者の魔力により滞空時間、高度が増減。

翼に込められた想い(魔力)が強いほど効果増大。


≪称号≫

・むっつり???

発動時、パーティーメンバーの中で最も好感度を高く持つ女性(・・)に対する敵視(ヘイト)及び攻撃を引き受ける。時々、対象の女性に対して見とれる。


・天井知らずの限界突破者

 ステータスの限界値を超えて成長することが可能となる。ステータスが高くなるほど、成長の幅が大きくなる。


・白銀の星竜

 最大MPの半分を消費して「レベル+50」の効果を得る。HPが四分の一以下の時、MP消費なし。

発動時に専用装備——星竜闘衣(せいりゅうとうい)を纏い竜技が使用可能となる。


【リナの加護/呪い】(キョウマには見えない)

・戦闘中にランダムでプラスの効果を得る。

・不幸体質の改善。

・異性にモテなくなる。


~~~~~~~~~~


リナ・アキヅキ


種族 転生人

職業 サポートメイド


LV    5

HP   60

MP   75

STR   9

VIT   8

AGI  12

DEX  12

INT  18

MND  16

LUC   6


スキルポイント残 3


≪属性適正≫ 

光 S

火 B

水 C

風 —

雷 C

土 —

闇 —


≪スキル≫

・ラーニング

 成長速度上昇

 強者の戦闘より経験値獲得、レベルアップ時のステータス上昇値増加。

 スキル、魔法を見切り習得(自身に適正のあるもののみ)


・メイドの極意 LV1

 料理、裁縫、掃除スキルにプラス補正


・応援 LV3

 応援することで対象者に対してステータス上昇の支援(バフ)をもたらす。

 上昇効果はスキルレベル×5、対象への好感度により効果増減。マイナス効果を付与することもある。


・指輪待機

 指輪の格納空間に隠れて待機する。本人の意思及びキョウマの指示によって発動する。

 発動時、指輪は主=キョウマの装備アイテムとなる。獲得経験値は減少する。


・情報隠蔽 LV 10(MAX)

 ステータス等の情報を隠蔽するスキル。

 スキルLV最大により、解析者に対し、カウンタートラップを仕掛けることも可。


・指輪操作 LV5

 ナビゲーション・リングを使いこなすスキル。


・情報解析 LV 10(MAX)

 対象の情報を解析する。

 スキルLV最大により、ナビゲーション・リングを通して冒険者組合のデータベースからの照合が可能。 


・射撃特性 LV5

 射撃系武器及び魔法の命中精度増。


・魔導技工師 LV1

 生産職系スキル。

 スキルLVが上昇する程、高度な魔導機械の製作が可能となる。


・分解 LV1

 分解して素材を取り出す。

 機械類のみに使用可。


・料理は愛情!

 家庭料理限定。好感度の高い人への料理制作時、制作評価にプラス補正。

 極稀に大失敗することがある。


・蒼葉光刃心月流 LV2

 剣技、身体強化、気配察知など、多数のスキルを兼ねる流派スキル。蒼葉光刃心月流の技が使用可能。


≪魔法≫

・フレイムショット

 炎の弾丸を飛ばす。火属性初級魔法。


・アイスショット

 氷の弾丸を飛ばす。水属性初級魔法。


・サンダーショット

 雷の弾丸を飛ばす。雷属性初級魔法。


・ヒール

 初級回復魔法。部位欠損の修復不可。


・キュア

 状態異常回復魔法


≪称号≫

・世話焼き

 回復魔法の効果・範囲アップ。対象者への好感度によって増減。


・分解好き

 生産系スキル「分解」の成功率増。


~~~~~~~~~~

お読みいただきありがとうございます。

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