プロローグ
予告じゃあ昨日でしたが、一日遅れてしまいました。
申し訳ないです。
その人は何かと戦っているようだった。
何と戦っているのかはよくわからない。
赤い……そうスライムのような何かだ。
私はそれをただ見ているだけだから、応援することしか出来ない。
その人が殺されないように、死なないように、生き残れるように。
スライムを斬ることはできない。だってスライムなのだから。周りのあらゆる有機体を飲み込みながらどんどん巨大化していく、形のない化け物。
スライムを倒すことが出来るのは、炎によって燃やすか、凍りつかせて砕くかのいずれかだとアーネスカは言っていた。
でも目の前で戦っている人は、炎も氷も出せそうにない。
何せ雨が降っている。つまり、凍らせることも炎を出すこともできない。
状況が変わった。もうそれは戦っているとはいえない。
逃走だ。
状況は戦闘から逃走へ変わった。
まともに戦って勝てる相手ではないと察したのだろう。
お願い、死なないで!
お願い、生き残って!
もしかして、あなたは……!
これが夢なら覚めないで!
私のそんな思いとは裏腹に、映像ヴィジョンは唐突に途切れた。