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1人では戦えない僕と、仲間達  作者: アッキ@瓶の蓋。
第四部 戦火

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3.洞窟採集

 ニッチ戦略と言う言葉をご存知でしょうか? ニッチ、それはつまり狭い場所を意味する言葉なんですけど、その戦略の意味する所は他の人が攻めない場所を攻める事。

 どんな物だろうとも需要は存在しますが、それが大量に必要な訳では無く。ただただ確実に少しは必要と言うだけの話。



 ヒストロリアで採れる特殊金属、バグメタルもそう言う物の一つである。バグメタルはヒストロリアでしか採れない地下資源であり、古代で生きていた虫が長い年月をかけて金色の宝石のような物へとなった物である。ヒストロリアの古代から生きる不変の虫と、ヒストロリアの微妙な温度がバグメタルを作るのに最も向いている。ここでしか採れず、主な用途はバグメタルの持つかなりの長期仮光源として使われる。

 とは言っても、バグメタルの光源は淡い光程度のささやかな光であり、嗜好品の1つとして使われる程度である。



 私の所属するギルド、『神籠(しんそう)』でそのバグメタルの採集依頼が来ました。とは言っても、とある貴族の嗜好品集めであるんですけれども……。



 あぁ、申し遅れました。私の名前は『神籠』のメンバー、槍使いのスノート・テクシステーと言います。おさげの黒髪の日本人形のような顔立ち。白と黒のバーテンダーのような服と、首には藍色のマフラーを巻いた平均的な体格の女性。それが客観的に見た私です。

 ここでバグメタル10個の採集をしていたんですけれども、何故かいつもよりバグメタルの個数が集まらなくて時間がかかってしまいました。



「まだ8個なのですか……。これでは依頼達成出来ませんね」



 私はそう言って、もう少し探す。いつもだったら2日間くらいじっくりと探せば見つかるはずなのに、今回はなかなか見つかりません。



「いったいどこに……」



 と、探していると、



「あれ……?」



「―――――――へっ?」



 目の前に見た事がない少年が居ました。金の甲冑を着た、背中に蝙蝠のような羽を生やした8歳くらいの男性。頭には兜ではなく、メガホンがくっ付いています。そしてその背中には風呂敷、風呂敷の中には金色のバグメタルが大量に入っていました。



「あっ……! バグメタル、見っけ!」



「げっ……!? バレちゃいました。ここは―――――――――――――――――逃げます!」



 そう言って、彼は思いっきり走って逃げました。



「ま、待て―――――――――!?」



 私は思いきり走って逃げる8歳の少年を追いました。



「ぎゃあ――――――――!? 追いかけてきます――――――――!?」



「そのバグメタル、ちょっと分けて貰いませんか――――――――!?」



「追いかけて来る――――――――!?」



「2つほどくださ――――――――い!?」



 私は逃げる少年を全速力で追いかけました。

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