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1人では戦えない僕と、仲間達  作者: アッキ@瓶の蓋。
第三部 新天地

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12.行動

「ヒートシュート!」



 僕は銃に炎を纏わせて、魔物を撃ちぬく。撃ちぬくと共に魔物から生はなくなり、ただの屍と化す。そして僕は「ふぅー……」と溜め息を吐く。吐くとその溜め息は白い煙となって外に出て行く。あまりの寒さのあまり、息が白い息となって外に出ている。

 体温も下がっているし、このままは非常に危ない。僕はそう思い、自身の身体に体温上昇のエンチャットをかける。



「……うん。さっきより暖かい」



 完璧なまでに暖かいってほどではないけれども、少なくとも寒さによって死ぬ事だけはない。そのくらいまでにはなんとか寒さをしのぐ事は出来るようになった。これなら大丈夫だろう。そう思い、僕は道を歩く。



 ミスロスはまだ剣の状態のままである。どうやらよほど剣の状態でいるほど疲れているか、剣の状態で僕を監視したいかのどちらかみたいである。あいつのあの毒舌具合からいっても、後者の可能性が存分に考えられる。しかもかなりの可能性で。まぁ、良い。

 僕が目指すのはまさしくそれなのだから。

 1人でも戦える人間。誰かを助け、そして自分の事は自分で出来る人間。僕がなりたいのはそう言う者なのだから。



 けれどもその時の僕は知らなかった。もうそんな事が出来ない状態になっていたなんて事は。














 その頃、ヒュペリヒトにある大型ギルド、『神籠(しんそう)』ではセベア・パイグスとエレニア・アストレアの2人は1人の女性が面接を受けていた。

 薄水色の髪を後ろで緩くカーブしており、そして頭の上には黒いダイヤのような髪飾りが付けられている。凛とした顔立ち、その右頬には黒い星形の黒子が1つ。そして青と白の2色で色づけされた聖騎士が着るような汚れ無き騎士の制服の上に黒い男物のコートを羽織っている。



「では、あなたがこのギルドの入隊希望者で良い、のかな?」



「は、はい! そ、そうでぃす!」



 セベアの言葉に小さく頷く、少し滑舌の可笑しい新入希望の女性。



「では、名前を教えてくれるかな?」



「は、はい! 私の名前は……アカツキ・マリンでぃす。よろしくお願いいたしますでぃす」



 そう言って、彼女、アカツキ・マリンはぺこりと頭を下げた。

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