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1人では戦えない僕と、仲間達  作者: アッキ@瓶の蓋。
第二部 冒険開始

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16.竜宮歌舞伎

 少し時間が経って海から現れたのは、およそ海に似つかわしくない機械の魔物だった。



 亀のような形をした黄色い顔に隈取。豪奢で派手な和服を着込み、左腕には白い綱が右腕には赤い綱が巻き付きその2つが重なるようにしてその巨体の後ろでリボンのように結ばれている。左半分が白髪で右半分が赤い髪と言う奇特な髪型。その頭の上には何かの生物か分からないが何かの触角のような物が長々と生えており、足にはそれぞれ(かかと)の所に黒い車輪が取り付けられている。背中から長々と白い竜のような尻尾が生えており、尻尾の先には黒い車輪が取り付けられている。

 そしてその両手の掌にはそれぞれ、左手には『竜宮』と右手には『龍宮』と言うような文字が書かれている。



 大げさな機械音と共に右手を水平に伸ばし、左手はひじを曲げて上にかざす。同時に左足を大きく踏み出して力強さを出します。歌舞伎のポーズの1つ、元禄見得(げんろくみえ)のポーズである。



『ブラウンベル・グランドの魔女楽曲絡繰(からく)り第1曲、『英雄』! またの名を『リュウグウノツカイ』と『歌舞伎』の合体作の機械族の魔物、リュウグウカブキ・マキナ、邁進(まいしん)!』



 『イヨー、イヨー、イヨ――――――――!』と言う効果音と共に大見得を張って、リュウグウカブキ・マキナは僕達の前に顔を出していた。



「「「……」」」



 僕達みな脱帽である。

 何故にこの海岸でわざわざ歌舞伎系の機械族? そしてどうしてリュウグウノツカイなんて言うマニアックな深海魚なんでですか?



『はぁはぁ……。やっぱり深海魚だからって200m付近に置いて来たのは失策でしたね。

 魔法を使ったと言え、疲れたー……』



「ただの、馬鹿、ですね」



「そう言わない方が良いよ、メティア。魔女帝国のブラウンベル・グランドと言っていたから、もしかしたら魔女で、強敵なのかもしれないし」



 素材集めをしていたメティアと釣り(どうやって釣ったのかは分からないが何故か異常と思えるほどリザードマンを釣り上げていた)をしていたクルスはそれぞれあのロボットを見ながら、そう言っていた。

 僕もだいたい同じ感じだ。あの見た目に騙されるといけない。世の中には、最強のスライムなどと言うエージェントスライムなどと言う弱そうな外見に反して、物凄く強い魔物が居るくらいなのだから。

 だから、姿形で判断してはいけないのだ。



『とりあえずまずは小手調べ! イソカブキンチャク、カモーン!』



 そう言って、リュウグウカブキ・マキナの後ろから背と腹がくっつきそうなほど薄平たい蟹型の魔物、ニッチクラブが、色鮮やかにカクカクと動くイソカブキンチャクを上に載せて多数出現していた。

 どうやらこの2種類の魔物を倒さないと、リュウグウカブキ・マキナは相手にしてくれないようだ。



「上等ですね! 正直、さっきのヒトデダークでは物足りなかったんだよね!」



「同じく、攻撃、させて、いただきます」



 クルスとメティアはそう言いながら、イソカブキンチャクを載せたニッチクラブの元へと向かって行った。



「よし、僕も援護を……」



「援護実行、不許可。今、捕獲」



 そして僕はそんな不穏そうな言葉を放つ女性の言葉を聞きながら、僕は気を失っていた。

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