表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1人では戦えない僕と、仲間達  作者: アッキ@瓶の蓋。
第二部 冒険開始

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/80

2.話

 今、僕は久しぶりに、家に尋ねて来てくれたメティアと一緒にお茶を飲んでいた。

 ちなみに僕の背後の壁には先ほどネフィーが書いていた『友情(とも)』、『努力(しゅぎょう)』、『勝利(おんな)』と書かれた書写の紙が貼られている。書かれている文字に付けられたルビは『とも』、『しゅぎょう』、『おんな』と言う何とも微妙なルビなのだが。

 まぁ、それはともかく僕は目の前のメティアに視線を移す。



「あぅ……ふー……ふー」



 お茶が熱かったのか、メティアは一生懸命お茶をふーふー、とお茶を冷まそうと頑張ってる。

 綺麗で端正な顔立ちの彼女がそんな行動をしていると、とてもギャップがありとても可愛かった。



(と言うか、メティアの顔なんて初めて見たな)



 昔から極度の赤面症、及び恥ずかしがり屋の彼女は僕に顔を見せてくれなかった。そんな彼女の素顔と言うのは、初めて見る顔でとても綺麗で大人っぽい……。

 昔馴染みで幼馴染だけど、こうやって見ると何となく懐かしく思うと同時に……綺麗だなーって……。



(って、何を考えてんだ! 相手はメティア・アンラニル! お前の幼馴染だろうが!)



 と心の中で自分に言って、顔を大きく振る。



「……? ……アイ、クール、どう、したの?」



「……! い、いや、何でもないから。と言うか、どうしてここに来たんだ?」



 そう、それが知りたい。メティアはこの前王都で再会したけれども、普段は世界的に有名な魔法学校の優等生である。そう簡単に故郷(ウルテック)に帰って来れる立場の人間では無いはずなんですけれども……。



「魔法、学校の、課題。今日は、それを、相談、しに、来た」



「課題? それってもしかして……魔法学校の卒業課題である課題探しって言う奴か?」



「……コクコク」



 やっぱりそうか。

 魔法学校には卒業制作と言うか卒業課題と言う事で、課題が与えられる。内容は確か魔法薬研究とか使い魔探しとか……だったか?



「私、課題、杖作り」



「……あぁ、杖ね」



 魔法使いにとって杖とは大事な物である。だから杖を作るのは、魔法使いにとっては大事な事である。だから魔法使いが杖を作ると言う事は重要な行為である。

 だから杖作りは魔法学校において自身の居たと言う証を残すと言う行為である。



「で、杖を、作る、素材が、ルドラオン、海岸に、あるん、だそうです」



 ルドラオン海岸。確か……特殊な素材が取れる事が有名な海岸、だったな。



「ルドラオン、海岸、行きたい。クレイ、ノス、断られた。故に、アイ、クールと、行きたい」



「観光気分で言うな……ただの素材集めだろうが。まぁ、杖を作る際はそう言った特殊素材も無いといけないし……。

 じゃあ、下に居るネフィーも呼ぼうか?」



 今のパーティーだと、補助職である僕と魔法使いのメティアと言う後方攻撃タイプのパーティーである。近接系騎士のクレイノスは断られたから、後は銃士(ガンマン)のネフィーに中距離を任せるしか無いだろうし……。



「嫌」



「はっ……?」



「あの女、は嫌」



「えっ……? でも、そうするとお前がかなり無理しないといけないぞ?」



 僕は戦えないし、そうすると魔法使いのメティアのかなりの負担になってしまうんだが……。



「それ、なら、私、頑張る」



「……はい? いや、心意気程度で何とかなる話じゃないんですけれども……」



「大丈夫、やる! アイ、クール、明日、行く! 村の、入り口、で待ち、合わせ!」



 そう言って、メティアは急いで部屋を出て行った。

 部屋を出て行くと、「……ありがとう~ございやした~」とネフィーが送り出す声が聞こえて来た。



「……と言うか、メティアの素顔もびっくりしたが、やる気に満ちたメティアも新鮮だな」



 と、僕はそう言ったのであった。

 後はネフィーにどう説明するかが問題なんだけど。絶対に着いて来るって言うだろうし……。

 どうしようかな、うん?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ