18.謁見
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ガイテック城。ガイテック城に住む王族、ウルウス一族は王都ガイテックとその周辺地域を収めている。
ウルウス一族は祖先から与えられた宝剣ミスロスと宝剣アテクエで人々に権威を見せ、周辺地域が良くなるように政治を行っていた。
そしてそんな一族は只今、ある問題を迎えていた。
後継者問題。
別に後継者が居ない訳じゃない。むしろ全ての後継者が有能で、そして後継者に選ぶにはどこか足りないような人物だった。
長男、エレーマ・ウルウス。
長女、フィンザ・ウルウス。
次男、レイアウキ・ウルウス。
次女、ユピノス・ウルウス。
三男、クルス・ウルウス。
四男、サクパディア・ウルウス。
三女、セドリル・ウルウス。
四男三女の、有能にして、どこか欠点のある彼らは、誰が後継者に決まるかが問題だった。
誰を選ぶのか決めかねているのが、今のウルウス一族の問題である。
そんな後継者問題を抱えているヴァスリオス・ウルウス王と僕は謁見をしていた。
「今日は良く来てくれたのう。アイクール、クレイノス、それにネフィー」
「いえ、そんな事は無いですよ。ヴァスリオス王」
今、僕達の目の前の玉座に座っているのは、我らが王ヴァスリオス王である。
赤いマントを羽織った白い髭を生やした白髪の初老の男性。頭には豪華な王冠を載せている、青い豪華なな服を着た王に、僕は頭を下げてそう言う。
横を見ると、クレイノスやメティアも頭を下げている。しかしネフィーは頭を下げていなかった。
「ねぇ、兄貴? 兄貴は何で頭を下げてるんだ?」
((それどころか質問してきただと……?))
「……」
メティアも言葉を失っている。
おいおい、王族には頭を下げるのは常識でしょうが!?
あっ、そうか。ハーフエルフだからそう言った人間の常識を教えなかったからな。
……って、そう言うのじゃない!
「おい、ネフィー! 王族の前では頭を下げるのが、人間社会のルールなんだよ! だから頭を下げてくれ!」
「い、いえ。男たる物、そう簡単に頭を下げては男の価値が下がると言う物でして! だから決して、頭を下げません!」
どんな信念だよ! そしてお前は女だろうが!
「……ははは! 面白い女性も居た物だのう!
良いよ、皆の衆。今日は謁見と言っても、ちょっと事情が違うからのう」
とヴァスリオス王は言って、手を振る。僕とクレイノスは頭を上げる事にした。
「実はこの前、この王城に堂々と乗り込んだ不届き者が居たのじゃ。それを皆の衆に考えて欲しくてのう」
「……不届き者、ですか」
その不届き者との対策を考えるために、エンチャッターの僕を呼んだのか?
それならば普通は王族の人の誰かを呼ぶはず……。そうじゃなくて、何故僕を呼んだんだ?
「彼女は自身の事を赤の合成魔物、レッド・モンキーと名乗っておった。つまりは魔法帝国の使い魔と言っておった」
「……魔法帝国の使い魔?」
昨日、メティアに教えてもらった物の事か?
「そこのお嬢ちゃんが教えてもらった魔法帝国の話だと、魔法帝国は国を乗っ取ろうとしとるんじゃろ? わしはそれが怖くてのう。それを相談するために、そちを呼んだのじゃ。
明日にはその者がここに来るでの」
「レッド・モンキー……。魔法帝国の、最強の、使い魔……」
「それはまた、ご丁寧な事で……」
さて、どうしたら良い物か……。




