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1人では戦えない僕と、仲間達  作者: アッキ@瓶の蓋。
第一部 王都危機

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9.緑色猫

 水面(みなも)から突如として現れた巨大な緑色の猫の魔物。

 身体は海の巨大軟体魔物、クラ―ケンを思わせる巨大さ。その額には緑の水晶(エメラルド)が埋め込まれており、尻尾は2つに分かれている。



 「猫の化け物……か」



 しかし、全身が緑色でこんな大きさの猫なんて聞いた事が無い。しかも海から来るなんて……。



「……! 何か出て来るぞ!」



 クレイノスは背中の剣を取り、その剣を構える。

 クレイノスの言う通り、巨大な緑色の猫の額にあるエメラルドから光線が発射される。その光線は船の甲板に当たり、船の甲板に当たった光から女性が再構築される。

 足から再構築していくと共に猫の姿もどんどんと薄れていっている。女性の姿が足からどんどんと上に上がるに連れて構築されていくと共に、猫の姿がどんどんと薄れていく。

 女性が完璧に再構築されると猫は消えていた。



 そして光の中で構築されたのは、緑色の三角帽を頭に載せた緑のマント姿の女性だった。小柄な体躯に一切の露出が無い格好。緑色の瞳に、同じ緑色の短髪。にやにやとした顔を浮かべながら、その額には『G.C.』の文字が刻まれている。



「あ、あなたは……!」



「兄貴……! こいつは人間じゃねえですよ!」



 ネフィーは槍を構え、イスカちゃんは杖を構える。勿論、僕も戦闘態勢を整える。右腕に付けた黒い棒を相手に向ける。



「ニャハハハ! 何にゃ、何にゃ。この船にはこんだけしか戦おうと言う居う人物が居にゃいのかにゃ?

 ……ニャハハハ! 良い時代ににゃった物だにゃ! それとも臆病者が多いだけかにゃ? ニャハハハ!」



 ケラケラと笑う彼女を見ても、僕達は警戒を緩めない。

 あの姿はどう見ても魔女。しかも黒魔女だ。



 魔女には2種類の魔女が居る。黒魔女と白魔女の2種類だ。

 白魔女と言うのは、僕の幼馴染である少女がなろうとしている魔女。人の役に立つために魔法を学び、人の役に立つために行動する。それが白魔女。

 そして黒魔女と言うのは、その白魔女とは逆位置に立つ魔女。自分の善のために行動し、他人を不幸に落とし入れる。それが黒魔女。

 恐らく、今目の前に立つ緑の魔女は、その黒魔女なのだろう。



「……お前は何者だ?」



「ニャハハハ? 自己紹介時は名前は先に名乗るべきだにゃ? まぁ、猫は人じゃないから良いけどにゃ。と言う訳で、猫は自己紹介するにゃ。

 猫は魔女が遣わした緑の合成魔物(キメラ)、グリーン・キャットにゃ。役目はここでお前らを襲って、お前がにゃき(わめ)く姿を楽しむのが、猫のご主人様は望んでいるのにゃ。

 と言う訳で、お前らはここで海の藻屑となって、ご主人様を楽しませろにゃ」



 そう言って、グリーン・キャットと名乗ったその緑の魔女はマントの中から緑色の薬が入った試験管を取り出す。



「さぁ、みにゃさま! これから面白い船上の戦場パーティーを始めさせて貰おうにゃ。

 みにゃさまよ、是非楽しんでいくといいにゃ! ニャハハハ!」



 そう言うグリーン・キャットは一気に緑色の薬を飲み干した。

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