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出会い
中学三年の四月…私は貴方に恋をした。
凄く淡くてか弱い桜の花の様だけど…烏のように何かを傷付けた…。
『佐奈!!早く!』
私は部活が終わって早く家に帰りたかった。
お父さんが仕事が終らず、まだ駅前に居てくれ!と言われて仕方なく美登里の相手をしていた。
今日は大事な日なのか美登里は少し気合いが入った化粧をしていた。
お気に入りのサムライの香水を着けて…白のミニスカを履いて居た。
軽く溜め息をついた私を美登里は、急かすように呼んだ。その向こうに見たことのない人が居た。
背のたかいその人は、私を一瞬見て、すぐに美登里のほうを見た。
私は少しだけ二人から離れた。
見たことのない…当たり前だ。今日初めてゲーセンに来たのだから。
その人は『サトル』と呼ばれていた。
私には妙に懐かしいその名前は、その日から私を苦しめた。