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#09:静寂のロード画面
瀬戸陽子の、静かな日常に少しだけ現実の輪郭が触れる頃の話です。
大きな出来事はありませんが、生活の中にわずかな重みが滲んでいます。
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陽子は、自然に目が覚めた。
部屋は静かで、外の光だけが薄く差し込んでいる。
起き上がったとき、昨日寝てからシャワーを浴びていないことに気づいた。
けれど、今すぐ浴びる気にもならない。
ゲームを起動すると、フレンドリストに真希の名前が並んでいた。
昨日から更新されていない、オフラインのままのステータス。
静止したままの、ただのアイコン。
陽子はそれを横目に、淡々とデイリークエストを進める。
コントローラーを握る指先が、昨日よりも少しだけ軽い気がした。
読んでくださってありがとうございます。
陽子の世界はまだ静かなままですが、外との接点が少しずつ形を持ちはじめています。
その小さな揺れを、これからも淡く追っていけたらと思います。




