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瀬戸陽子シリーズ  作者: 瀬戸 陽子


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7/17

#07:非公式のパッチファイル

瀬戸陽子の、静かな日常にわずかな外の気配が混ざる頃の話です。

大きな出来事はありませんが、生活の中に小さな揺れが生まれています。


1/1 11:41


テクスチャを貼ったようなビルが、無機質に並んでいる。


ただ目的の物を購入するだけの“お使いクエスト”。


スーパーの棚の前、昨日と同じハム&チーズのパッケージを探す。


「……やっぱり無いか」


しばらく悩み、似たようなのを選んで精算する。


スーパーを出た陽子は、レジ袋を片手に歩き出す。


ポケットの中でスマホが震える。

歩きながら画面を開くと、家族LINE。

「明けましておめでとう。今年もよろしくね」


一瞬遅れて、こたつから顔だけ出している猫の写真が表示される。


「……かわいい。これは降参だよ」


口元がふっと緩む。


短く返してスマホをしまう。


身体は冷えていくのに、心だけはまだ少しあたたかいままだった。


陽子はまた無心に歩き出す。

レジ袋が揺れる音だけが、静かな道に混ざった。

読んでくださってありがとうございます。

陽子の世界はまだ静かなままですが、外の気配が少しずつ生活に触れ始めています。

その微細な変化を、これからも淡く追っていけたらと思います。


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