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瀬戸陽子シリーズ  作者: 瀬戸 陽子


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16/17

#16 昼下がりのスクリーンショット

昼下がりの光には、朝とはまた違う“ゆるみ”がある。


世界が完全に動き出しているのに、

部屋の中だけは、どこか取り残されたように静かで、

時間が薄く伸びていく。


陽子にとっては、こういう“間”の時間が

いちばん自然に呼吸できる場所なのかもしれない。


#16 は、その静かな昼の断片です。


1/4 12:06

カーテン越しに白い光が落ちている。


ヘッドホンの内側で、ファンファーレが短く響いた。

陽子は一息ついて、キーボードとマウスから手を放す。


画面の中では、キャラクターがゆっくり歩き続けている。


コタツの中で足を組み直す。

その動きに合わせて、ノートPCの光がわずかに揺れた。


「……次、どうしよ。」


小さく漏れた声と一緒に、スマホを手に取る。


画面をつけると、未読の通知がひとつ。


『真希:起きてるかー?

こっちは年明け挨拶で足が棒だよw』


指をすっと動かす。


              「お疲れ様」


スマホを裏返す。

黒い背景の上を、白い文字がゆっくりと流れていく。


昼の光は、朝よりも柔らかくて、

夜よりも輪郭が曖昧で、

どこかスクリーンショットのように切り取られて見える。


陽子は特別なことをしない。

ただ、ゲームの余韻と、通知の文字と、

部屋の光の中に静かに存在しているだけ。


その“何もしなさ”が、

彼女の世界の自然なリズムなのだと思います。


今回も読んでくださって、ありがとうございました。


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