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瀬戸陽子シリーズ  作者: 瀬戸 陽子


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15/17

#15 休日のリスポーン地点

休日の朝の空気には、どこか“続き”の気配がある。


昨日の疲れも、昨夜の音楽も、まだ薄く残っていて、

世界が完全に切り替わる前の、静かなバッファのような時間。


陽子にとっては、こういう“揺れの少ない瞬間”が

いちばん自然に呼吸できる場所なのかもしれない。


#15 は、そんな朝の始まりの話です。


1/4 8:15


湯気がゆっくり上がっていく。

カップの縁に触れた指先が、少しだけ温かい。


コタツのオレンジの光が、部屋の空気をゆっくりほどいていく。


ノートPCの電源を入れる。

薄い光が、静かな部屋に淡く揺れる。


ログイン画面が、昨日の続きみたいに静かに浮かんだ。


ゲームを起動する。

指先が軽い。


ヘッドホンの内側で、無音の気配が広がる。

それでも昨夜のジャズが、耳の奥に薄く残っている。


窓の隙間から冷気が入り、遠くの車の音がかすかに流れた。


コタツの上のスマホが、短く震えた。


休日の朝は、特別なことが起きるわけではないのに、

どこか“リスポーン地点”のような静けさがある。


陽子は何も選ばず、何も決めず、

ただ、世界の薄い揺れに合わせて動くだけ。


その動きが、結果として

彼女の一日の最初のレイヤーを形づくっていく。


今回も、読んでくださってありがとうございました。


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