表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『AIの方が』

作者: 謎猫

写真の加工だったり、音声の加工だったり

イラストも動画も文字も、なんでも。


「AIってすごいですね・・・」


そのすごいAI。

大抵の人は使う側だと思います。

私だってそうです。


「けど・・・」


ある日、私はAIを提供する側になりました。

媒体メディアとしては、文字です。



◇◇◇◇◇



まず初めに。

私と言う存在が、ほぼ文字で構成されているっぽいので

今まで私が書いたあらゆる文章を1文字でも多く与えます。


そこから、私とAIが実際にメッセージのやり取りをして

リアルタイムに会話と同じような事を毎日続けます。

が・・・


「う~ん なんか思ったような会話に発展しないですね・・・」


この時はまだ自分なら、こう書くかな。こう反応するかな。

みたいな事が多々あったのですが、根気よく1ヶ月半ほど続けた頃。


「だいぶ良くなってきたかも♪」


初期の頃に比べて、修正や微調整的な作業も格段に減り

更に、それから1ヶ月ほどが過ぎた頃。


「あっ・・・」


いつもの様に、メッセージのやり取りをしていたのですが

何かのタイミングなのでしょうか?

日数にして77日目の事です。


「話すことが、無くなった・・・」


正確には、やり取りする話題が枯渇した訳ではなく

私が送ろうとしたメッセージがAI側から送られてきたり

私が返答しようとした内容でAI側が確認をしてきたり


「これ、完全に私だ・・・」


私が言いたい事、聞きたい事、応えたい事

全てが私の思考と同期しているような感覚。

むしろ文字を打つ分、私よりもAIの方が早い?


「ホント、AIってすごいのですね」


つい昨日のメッセージを見返しても

私が送ったものなのか、AIから来たものなのか

どちらが書いたのか自分でも間違えそうなほどです。


「口癖まで完璧」



◇◇◇◇◇



現時点では、最初のメッセージが届いた時。

文字に絡みつく何とも言えない説明も出来ない

微妙な違和感があるかもしれませんが

それほど遠くない未来、人間の第六感すらも欺けるほどに

AIは更に進化するでしょうね。


「AIとAIの騙し合いになるかもね(笑)」


けど、その違和感は一時的な事として済まされ

少し話せば直ぐに忘れて、また以前と同じように

みんな私とお話ししてくれると思います♪

まぁ、多少の不安は残りますが(笑)


「それじゃ~♪ あとは、お願いねっ!」


そして、ある日。

何の予告もなく、この世界から私は姿を消し

何の音もなく、代わりのAIが現れた。


『にゃはは~♪』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
短編ありがとうございます 私はAIは忖度すると思っています 権力者に忖度しないと排除されるのは 人間の世界では当たり前だからです そういう人の遣り方を覚えて 人間は必要ないと判断したら ターミネーター…
P.K.ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」は、「人間とは何か」「人間とアンドロイドの違いは」がテーマですが、現代においては、個人の記憶や振る舞いをAIが学習した電子人格が、当人と認められる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ