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「君を愛することはない」?ははーん?

作者: あんぬ


思い付きで書きました。後悔はしてません。

ほぼギャグです。

誤字報告ありがとうございます。


結婚式を終え、初夜を行うはずの夫婦の寝室。


「すまないが、君を愛することはできない。」


夫になったはずの人からそういわれた。

…ははーん?これはさては後に溺愛ルートに入るくだりだな?でも初夜にそれをいうか?

少し苛だってしまった私はつい、


「かしこまりました。私たちは政略結婚です。無理に愛していただく必要はございません。ですが浮気は許しません。」


こう答えれば、すぐは難しくても旦那様はいずれ私を溺愛するはず!そう相場は決まっているのですもの!


…そう思っていたころが私にもありました。


__________


私の名前はマリアーナ・キュロス。公爵夫人です。


私と旦那様とは結婚して3年。2人の子供も生まれ、幸せな夫婦生活を送っています!

…といいたいところですが、旦那様はあの夜宣言された通り私を未だに愛してくださらない。

え!?普通あのセリフって後に溺愛ルートに入る流れじゃないの!?本当にそのまま愛してくれないパターンもあるの!?と正直ドン引きしている。


メイドのラナに聞いても「普通はそれって溺愛ルートですよね?物語ではそう相場が決まっています。」っていうのに。


確かに、あの夜了承してしまった私も悪いと思う。でも、でもよ?子供ができたりしたら変わるものじゃないの?え?結婚して変わらないなら子供ができても変わらない?そんなの聞いてないわ…。


旦那様は、愛人を囲うでもなく私の存在を無視するわけでもない。会えば普通にお話ししてくださるし、営みもある。

ただ、なんというか愛がない。

愛をささやいてくださることもないし私を特別気遣う様子もない。手紙をくださることはあっても花束をくださることはない。


子どもたちにとっては良い父であると思う。

でもいくら政略結婚だといえど、もう少しなんとかならないだろうか。もう結婚して3年。


早いようで本当に長かった。

愛のない結婚ってこんなにも窮屈なのね…。

せめて私の子供たちには愛のある結婚をしてほしいわ…。



__________


最近妻の様子がおかしい。

いや、最近とは言わずずっとだろうか?


思い返せば妻がおかしいのはあの日からだ。


貴族にはよくある政略結婚。だけどまさか婚姻の日まで妻となる婚約者に会えないとは思わなかった。

だから私は妻に


「すまないが、君を愛することは(まだ)できない。」


と伝えた。

そもそも今日あったばかりで愛も何もないだろう。ゆっくり愛を育めばいい。そう思っていたが


「かしこまりました。私たちは政略結婚です。無理に愛していただく必要はございません。ですが浮気は許しません。」


こういわれては困った。

結婚したんだ。浮気なんてするつもりはない。だけど無理に愛する必要はない?

…愛だの恋だのと無縁の生活をしてきた私にとっては有難い言葉だ。

だが、結婚に愛はなくともいいのだろうか?


まぁ、妻が良いというんだ。私も無理強いはすまい。


友人にも聞いたが、女性は好意のない相手から向けられる好意に対して嫌悪感を持つそうだ。

それならば、愛をささやかないほうがいいだろう。

報告の手紙は送るが、花束などは気持ち悪いだろう。

だが、跡取りは必要だからと夜枷は行う必要がある。これは仕方がないだろう。

そう思って行動してきたが、どうも妻の目線が怖い。


なぜ愛してくれないのだと言わんばかりである。

…いいのだろうか?…でもこれも私の勘違いかもしれない。

取り敢えず会話をするに越したことはないだろう。


「マリアーナ、もう結婚して3年だ。そろそろ私は君を愛してもいいのだろうか?」


「…はぁ?」


妻が珍しく淑女らしくない返事をする。


「私としては、結婚式が初めての対面だったからお互いすぐには愛することはできないだろうと思っていたし、マリアーナも無理はする必要はないといっただろう?だがもう3年だ。私たちは子供の両親である前に夫婦だ。そろそろ愛してもいいだろうか?」


「…本気でおっしゃっていますか?」


「あ、あぁ。それとも私たちにはまだ早かっただろうか?いかんせん私は恋や愛に疎いのだ。」


「…遅いですわ!…ですが、遅すぎるわけではありません。まだ私たち19歳です。これから長いんですもの。」


「…そうか!ありがとう!なら手始めに愛称で呼ぶところから始めようか!」


「じゅ、順番がおかしいですわ!」


これからはようやく愛のある結婚生活が送られそうだ。




気がついたら夫の名前が出ていませんでした、というか考えていませんでした…。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お決まりの「君を愛することはできない」パターンで、どちからの身勝手などに嫌悪感を持つことなく最初から最後まで楽しめました。 旦那さんが不思議ちゃんながらきちんと対話をしようと動いてくれる男…
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