三段目 メリーさん
プルルルル、プルルルル、ガチャ
「わた・・・・さん、い・ゴミ捨て場・・るの」
プルルルル!プルルルル、ガチャ
「・たしメリ・さん・・***にいるの」
プルルルル、プルルルル、ガチャ
「私メリーさん、今 あなたの後ろにいるの」
ガバッ「ハァハァ」
そんな感じに朝に弱い
私こと怪異谷 見霊は最悪な朝を迎えた。
わ、忘れていた
スマホの目覚まし音をメリーさんのやつにしていた事を
しかも、割と手が込んでいてスヌーズ機能で回数毎に
内容を変えられるから私の家に近づく設定にしていたら
こんなにも寝覚めが悪いとは
今日は土曜日、学校は無い
支度をして、朝食を食べていると母から
「コレ、捨てて来て頂戴」
「えぇ〜」
「文句言わないの」
「へぇーい」
今日はとんだ厄日だ、仕方ない食べ終わり次第捨てに行くかぁ………
【メリーさん】
ある少女が引越しの際、古くなった西洋人形、メリーを捨てていく。その夜、少女に電話がかかってくる。
「あたしメリーさん。今ゴミ捨て場にいるの…」
少女が恐ろしくなって電話を切ってもすぐまたかかってくる。
「あたしメリーさん。今タバコ屋さんの角にいるの…」
そしてついに「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」という電話が、
怖くなった少女は思い切って玄関のドアを開けたが、
誰もいない。やはり誰かのいたずらかとホッと胸を
撫で下ろした直後、またもや電話が…
「あたしメリーさん。今 あなたの後ろにいるの」
基本はこれで終わりだが、
振り向いたら殺されるや少女が刃物で殺されるなど
様々な噂が広がっている。
ゴミ捨て場でゴミを捨てていき家に戻ろうとすると
「もしもし?あたしメリーさんだけど、うん うん
OK、ヨロシク!!」
そんな電話をしている声が聞こえたが周りを見渡しても誰もいない。ふと、足元を見てみると…
金髪ギャルの見た目をした、西洋人形が歩いていた。
ヘェァ!?!?!?
「メリーさんですか?」
「あなた私のこと見えるんだ、そそ私メリーさん」
朝の事があった手前、いつもより緊張するけど
一つだけ聞いてみたいことがあった。
「メリーさんって、持ち主の元にどうやって行くんですか?また探してるんですか?」
「さぁ?」
「え?」
「まぁ多分、ハッキングとかじゃない?」
「へ、へぇ〜」
「私は妹のメアリと一緒に人形メリーの旅日記っていう
ブログ開いてて、結構有名になったから家もブログに 掲載してくれって依頼がくるんで、メアリが選んだ
所に私が行って、写真と感想渡してメアリがまとめて
ブログに書くの仕事にしてるから前払いで」
「妹さんに任せすぎじゃあ」
「確かにブログの運営もメアリがしてるからそうだけど
メアリが提案してきたことだし、メアリ本人が楽しそうだから」
「そうなんですね、妹想いですねメリーさん」
「中々恥ずかしいな、でも間違ってはいないから
そだ、ここで会ったのも何かの縁だしLINE交換しよ」
「あっ、はい」
「それじゃあな見霊」
「なんで私の名前って思ったけどさっきLINE交換でか」
これから、度々メリーさんに旅行に誘われたり
旅行先の感想を写真と共に送ってくるのだった。