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一段目 トイレの花子さん

「ごっめーん、遅くなっちゃった」

「別にいいよ、だけど今日だけ部活長くない?」

「週終わりの金曜日は運動部、二〜三年生が帰る前に

備品整理をするんだけど、今日は休みが多くてね

ついでに1年生に備品整理の仕方を教えてって

部長が言うからさ〜」

「まぁ、そんな日もあるよってごめん!!ちょっとトイレ」

「じゃあ校門で待ってるね」

「分かった」


私の名前は、怪異谷(かいたに) 見霊(みれい)

霊感を持て余している高校二年生だ。

私は、帰宅部だが何故遅くまで残っていたのかは

霊感の所為で人見知りの私の親友、唯一の友達である

幽霊(ゆうら) 感無(かんな)が運動部に所属している

からだ。まぁ感無は可愛くて、綺麗で、明るいから

友達いっぱいいるし、それでも私に構ってくれるのは

感謝している。


何故、こんな小説なんかの実際は有り得ない脳内自己紹介が行われているかというと、怪異に会いそうだから。

私は勝手に霊や妖怪、霊感の所為で見える見えざる者達を怪異と総じて言っている。

人に害を成す怪異の場合、強く自分を保っていないと

結論『死ぬ』のだ。だからこんな脳内自己紹介をして

いるというわけである。

でも今回はあまり危険は無いと思うが………


【トイレの花子さん】

私が通う感霊高校(かんれいこうこう)の今時古い七不思議の一つ、

誰もいないはずの学校の校舎三階女子トイレで

扉を三回ノックし、「花子さんいらっしゃいますか?」

と尋ねる行為を一番手前の個室から奥まで三回ずつ

やると三番目の個室から微かな声で「はい」と返事が

返ってくる。そしてその扉を開けると、赤いスカートの

おかっぱ頭の女の子がいてトイレに引きづりこまれる。

元々、十数年前まで小学校だった頃に事故、

はたまた事件で行方不明になった女の子の霊だという

噂である。


最近工事中の本校舎一、二階女子トイレを除くと初めて入る一番近い本校舎三階女子トイレに入っていく。

何故か入って手前から一番目と二番目の扉は建付けが

悪いのか開かなかったので三番目の扉を開くと………


「花子さん?」

自然とその名が口から出ていた。

赤いスカートを履いたおかっぱ頭の女の子が

トイレに座っていたから。

(自分のクラス、同じ学年に花子って名前の人はいない

から三か一年生の誰か?それ以前に小学生レベルの身長

あ、ヤバい!!!)その間、僅か0コンマ一秒


「き、」

「き?」

「きゃぁぁぁぁ!!!!!」

「ゑぇぇぇぇぇ!!!!!」

思いがけない反応に驚く自分と、悲鳴を上げる

花子さん?とてもじゃないが追い付けない現状に

頭がパンクしそうだ。

「変態っ、人がトイレしてる時に入って来ないでよ!!!」

「えっと、あっと、すみませんでした!?」

ギギギィと閉まる扉を見ながら自分も危ない状態なのに気付き、別の個室に入るのだった。


危うく、一生の恥を背負う事となる事態は回避したけど

手を洗って、一息つくと花子さん?とお話しをすることとなった。

「花子さんですよね?」

「そうだけど、何?」

「いやぁ思った以上に可愛らしい見た目だし、

人間辞めてない感じがするから」

「何それ、私の事をなんだと思っているの!?」

「いや、だから、怪異でしょ」

「あぁ〜そういやそうだったなぁ、あはは」

「え?そういやってどゆこと???」

「いや、最近インターネットが普及して

妖怪やら霊やら怪異やらが、怖いよりも可愛い系や

ポップなイメージが着き始めたから、

私達は噂で形作られるからね」

「それはご愁傷様です」

「別に、今までよりも過ごしやすくなったから結果オーライって感じ」

過ごしやすくなった?ってのには触れないで置こう。


「怪異ってトイレとかするものなんですか?」

「今まではしなかったけど噂の所為でね、

私はそれが当たり前だった事だから変わらないけど

そうじゃ無い奴らはどうだろう、どちらにせよ

基本無害な子達が多くなったの」

「へぇ〜ってごめん!花子さん、私校門で友達待たせてるから、またね〜」

「またね、ねぇ〜」

「久しぶりに人と話したなぁ」

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