1ーβ話 廃人達の陰謀 〜sideグリザス〜
今回は禍月君にボロボロにやられたグリザス視点です。
「おい!グリザス、テメェ何 新人に負けてんだよ‼︎」
「んな知るかよ!チート以外にあり得ねえのに運営は対処しねえんだよ‼︎」
本当意味解んねえ。始めたてのボンボン新人がどのステータスでも俺に勝っているハズねえのに、何度通報しても、
『プレイヤー・禍月に不正は一切見当たりませんでした』
と返ってきた。挙げ句の果てには、
『これ以上無意味且つ悪辣な通報をしましたら、アカウント削除処分いたします』
なんて吐かしてきやがった。さすがにアカ削は痛いから通報を止めざるは得なかった。
「もちろん何倍にもして殺り返すんだろ⁉︎俺らにも殺らせろや‼︎」
「んなことしたら、俺の全財産パーになるから断るに決まってんだろが‼︎殺るなら間接的に殺るわ!!」
ったく、アイツふざけやがって、クランの誰が関わっても俺の全財産がアイツに渡るとか赦せねえ。
アイツは、禍月って野郎は準備でき次第、WFO辞めるまでPKしまくってやる。
「おい、五月蝿えぞテメェら。何の騒ぎだ」
チッ、クラマスのグレイラルが帰ってきやがったか。アイツに逆らうのは得策ではねえが、全アイテムパーになるくらいなら歯向かってやる。
「クラマス、特に何もねえっすよ。クラマスがわざわざ出張ることじゃない」
「く、クラマス、グリザスの野郎が俺らに黙ってNB倒した新人に瞬殺されて帰ってきたって話っす」
あ、コイツクラマスが怖いからってバラしやがったな。何が凶戦士だ、罠狩人の俺よか臆病者じゃねえか。
「事実か?」
「じ、事実だ」
「報復はどうした」
「クランの誰が関わっても俺の全アイテムがオジャンなんでまだ手ぇ出してない」
相対するだけで重圧が凄い。俺ら廃人達の中で誰も彼もを押さえてトップに立っているだけある。
「要するにお前のアイテム守った上で殺ればいいんだろう。ならクランの誰かにアイテム全部預けてから、クラン総出で行きゃあいい話だろ」
「な、なん……だと………」
寝耳に水だ。そんな発想全く無かった。クラマスは頭まだ冴えてやがるのか。だが、確かにその方法なら思う存分アイツを甚振れるぜ。
「んで、グリザステメェどんなザマで殺られやがったんだ」
「カウンターで一発だった」
あのAGIとATKどうなってやがる。全プレイヤーの中でも俺のAGIはトップクラスだぞ。
「クラマス、どうやってその新人を殺るんで?」
「あぁ、カウンター型ならMTぶつけて諸々削ってから全員でボコりゃいいだろ」
なるほど、それなら少ないリスクで最大限殺れるな。
「テメェら理解したんなら、メンバー全員に集合かけやがれ!AGI高いヤツらはターゲットの監視とMTの準備をしやがれ!」
「「お、おう‼︎」」
フハハハハ、待ってやがれ禍月!テメェも甚振りまくってやるからなあ!
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Message
ーープレイヤー・グリザスがが決闘の賭博によって生じた命令を違反しました。よって、プレイヤー・グリザスの全財産がプレイヤー・禍月に強制譲渡されますーー
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フン、そんなメッセクランの仲間にアイテム全部預けた俺には怖くねえ……………あ?メールだあ?
『お前から預かったアイテム全部消えたけど何があった?』
は?
『何か知らんがお前のアイテム全部ロスったぞ』
はぁ?
『お前のアイテムどっか消えたけど俺のせいじゃねえからな』
はぁぁぁぁあ⁉︎
「ふっざけんな、クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎」
久しぶりの裏設定:
その6
グレイラルは[ファヴニル]内で最も強く、他のメンバーを暴力的に押さえつけている。人徳による統治ではなく、恐怖による支配なので人望は殆どない人です。
その7
クラン[ファヴニル]のマスターは強さによって決まっているので、クラマスが負けたら、倒した人が次のクラマスになります。今までに3回変わってます。