1ー15話 いざボス巡りへ
ボスまではまだですよ。
「こんばんは、禍月君、天兎ちゃん」
「こんばんは、フルール」
「こんばんは、フルールさん」
俺がリディアと串焼肉を食べ終わった頃、天兎が来て、夜8時直前にフルールが来た。今回は俺達の中で経験のある天兎が先導することになった。
「それじゃあ行こうって言いたいけど、補助アイテムとかマジックバッグの準備できてる?」
「補助アイテムは(素材が)たくさんあるけどマジックバッグは持ってないな」
「私は最初からある支給アイテムだけだよ」
俺の補助アイテムは多いだけで効果は高くないし、マジックバッグも持っていないから、取り出しに時間がかかる。欲を言えばボスの情報も欲しい。
「せめてマジックバッグとマナポーション買いに行こう」
「治癒ポーションはいらないの天兎ちゃん?」
「私もフルールさんも[回復魔法]持っているからMPさえ気をつけていれば大丈夫だよ」
そういうことで[スターテア]の中では高めの雑貨店に行った。俺とフルールは1つ10k Pの鹿革のマジックポーチを買った。
ちなみにこのポーチや鹿革のマジックバッグは[細工]スキルでフォレストディアの毛皮5枚とスライムの核3個を使用して作れるらしい。
容量は15×15の225個でゴブリンドロップのマジックバッグより使いやすい。
補助アイテムはフルールと天兎が低級マナポーションをいくつか買い、ST回復用のアイテムは先程俺が[料理]した完成品を分配した。
その時だった。
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Message
ーープレイヤー・グリザスがが決闘の賭博によって生じた命令を違反しました。よって、プレイヤー・グリザスの全財産がプレイヤー・禍月に強制譲渡されますーー
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……………マジか。急いで周りを見渡すが、グリザスはいない。クラン[ファヴニル]の構成員が近くにいるのだろうか。
にしてもアイツもう命令破りやがった。時間の問題だろうとは思っていたがあまりにも早すぎる。
「どうしたの禍月君?」
俺の急な行動を訝しんだのか、フルールが聞いてくる。
「いや、昨日決闘したグリザスがもう命令破ったってメッセージが来た」
「それ本当お兄ちゃん⁉︎(予想してたより早すぎるよ。2人に連絡入れとかないと)」
「でも、あっちは命令違反で全財産失ったんでしょ?なら、すぐには来ないんじゃないかな?」
フルールはそんな言うが甘いと思う。アイツがあんな性格なんだからクラン[ファヴニル]とやらは似たようなヤツらの巣窟だろう。なら、アイテム狙いの方でくると思う。
「いや、アイツは[ファヴニル]の一員だから報復ついででレアアイテム狙いで総動員してくるよ。プライドと執念は無駄にあるヤツらだから」
「じゃあアイツらと遭遇する前にボスエリアに行かないとな」
ボスエリアは、ボスの規模にもよるが、基本1PTしか入れない。これはメニューのヘルプの情報だから間違いない。もちろんヘルプ自体はチュートリアルで知りましたとも。
「そうと決まればすぐにでも行こう。いつアイツらが介入してくるかわからないし」
「なら、時間稼ぎも兼ねて少し難しいボスから行こうよ」
そう言ったフルールの案は意外なものだった。だが、理に適っているな。こちらの時間オーバーで奇襲されなくなるし。
「それいいね!フルールさんナイス!じゃあ少し難しめの東に行こう」
と言うことで東門へ向かった。東門に着くまでの間天兎はメニュー操作をしていた。門までのルートは流石にわかるけど門出てからは止めて欲しいかな。
じゃあちょっと危険なボス巡りへと行きますか。
天兎が連絡しないとと思ってたのはどの2人でしょうね。そして東門までの間なんでメニュー操作していたんでしょうね。
【一報】次、閑話挟みます。どこの誰目線でしょうね【次回予告】




